深愛-5/5-






「…ライト…あ、あのさ…」
「なんだ」
「物足りなかったなら、俺もうちょっと頑張る…」

そこまで言ってフリオニールは言葉を切り、そして首を横に振った。

「いや、違うな。その…今のライト見てたらなんか、こう…また…」

言葉を選ぶようにごにょごにょと呟くフリオニールの言いたいことがなんとなくわかって、ライトニングは目を逸らしたまま笑みを浮かべる。
繋がり合ったままだから、本当はライトニングも気がついていた。一度消えかけた熱が再び宿ったことに。
顔を挙げ、再び絡み合う視線。

「今の私は…お前のものだと言っただろう?」

髪に絡めていた手を解き、背中に回す。
かすかに残る痛みと共に、身奥に感じるフリオニールの熱が何故か嬉しくて…ライトニングはしっかりとその身体にしがみつく。

「なるべく痛くないようにするから…それと、今度はもうちょっと保たせられるように、頑張るから」

呟いた言葉が終わるか終わらないかの内にフリオニールは腰を引き始める。そして、先ほどより少し強くねじ込むように深く貫いた。
痛みから来るものではない声を上げ、ライトニングはフリオニールの背中にしがみつく力を強める。
慣れてきたのもあるだろう、それに先ほどフリオニールが放った精によって滑らかになったのか―力強く貫かれても痛みも緩やかで。

「痛くないか?」
「だ、いじょうぶ…」
「…じゃあ、後は少しでも…気持ちよく、なって欲しい」

最初はゆっくりとしていたフリオニールの動きが少しずつ早まり始める。
動きが早くなれば痛みも増しそうなものだったが、全くそんなことはなく…それどころか、痛みに摩り替わって甘やかな痺れがライトニングの身体を支配していく。

「…っあ…ふりお、に…る…っ…!!」
「…ライト…ライトっ…!」

声にならない声で愛しいその名を呼び、答えるようにただひたすらに名前を呼ばれる。
この瞬間がこんなに幸せなことだと、ようやく気付いた。
その身体を支配するのは、今まで知らなかった甘く切ない感覚とそして…全身を引き裂かれそうなほどのフリオニールへの愛しさ。
たとえ、これが最後でも。
自分は今こうしてフリオニールと、誰よりも愛しい人と繋がりあって…そして間違いなく愛し合っている…!

「ライト…ごめん、俺もう…!」

フリオニールが小さく呻き、一際深く貫かれたと同時に再び体奥に熱を感じる。
そのまま再びライトニングの上にぐったりと倒れこんだフリオニールの背中をしっかりとかき抱き、ライトニングはその肩に顔をうずめた。

これが最後でもいい。
寧ろ、最後の時をこうして…互いに求め合い、愛し合って過ごすことが出来ただけで…

―私は、戦える。次に希望を繋ぐ為に…フリオニールのためにも…!!

その時ライトニングがこぼした一筋の涙の意味はきっと…ライトニング自身にも、永遠にわからないまま。


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