深愛-2/5-






―今フリオニールを見上げている自分はどんな顔をしているのだろう?
想像すらつかないが、フリオニールが嫌悪を示している様子はないので別にそこまで酷く不愉快な表情ではないのだろうと思う―そんなことを思いながらフリオニールを見上げれば、下着越しに胸に触れようとしている…その手を強引に取り、下着をずらして直接肌の上に導く。

「直接って言っただろう」
「あ…す、すまない」

先ほどと同じように、掌を全て使ってフリオニールはその柔らかさを確かめるように胸に触れる。
その指が何故か熱くて、ライトニングの身体の中にはまるで電撃が駆け巡るようで…
勿論自分でこんな触り方をしたことはないのだから当然ではあるのだが、現状としては「胸を触られている」と言うそれだけで自分のまったく知らない感覚が自分を満たしていく不思議な感覚。
触れているのがフリオニールだということが更に、ライトニングの中に強い幸せを生み出してゆく。
最初は恐る恐ると言う風情だったフリオニールだったが、ライトニングの様子を見ていると段々解ってきたことがあるようで…指先で中央の突起をこりこりと転がす。

「…っ…!」
「やっぱり。さっきからここに指が当たったら気持ちよさそうにしてたから」

フリオニールの言うとおり、確かにこの部分に触れられることがライトニングにも初めて味わった快感を与えていたのは確かだが、ライトニングの様子を見ていてそれをすぐに見抜いてしまうとは。
戦いの中に生きているからだろうか、その観察眼には恐れ入る…
そんな余計な事を考えながら、ライトニングはきっと初めて触れるのであろう肌の感触を楽しんでいるフリオニールの邪魔にならないように気を配りながらレギンスを下ろす。

「…ところで、最終的に…何をどうするか、位は知っているよな?」
「何をどうするかって…ああ、まあ…大体は」

そこでフリオニールはライトニングがレギンスを下ろしていたことに気付いたのかまたひとつ唾を飲む。
普段は中にレギンスを履いていることを知っているからこそ特に何も思わなかったのだろうが、きっと今フリオニールの視界には相当際どい状態が見えていることは想像に難くない。

「えと…下も脱がせるってことだよな?」
「だから何をどうするか知っているかと聞いたんだ。着たままではどうにもならないだろう」

知っているつもりだったがどこまで初心で鈍感なのか。
こうして肌を合わせる段になってようやく気付いたこともある。
もしも自分たちが普通の恋人同士なのだとしたら、これからもきっと色んなことを知っていくのだろうけれど…でも。
これが最後なのだと思い出してライトニングは小さく唇を噛む。

それならばせめてフリオニールの色んな面を今のうちに見ておきたいし…フリオニールにはできる限りの自分を知ってもらいたい。
これが、最後だから。
フリオニールが遠慮がちに下半身の着衣を脱がせようとしている間に、ライトニングは自分自身で上半身に申し訳程度に残っていたアウターや下着を脱ぐ。
…そうしてようやく生まれたままの姿になったライトニングを見つめるフリオニールの視線は…躊躇いがちで、それでいて熱い。

「私だけ丸裸と言うのはフェアじゃないな」

流石にその視線の熱さに耐え切れなくなって、腕で身体を隠しながらライトニングはそれを誤魔化すように小さく呟く。
このまま見つめられていたら、その視線だけでどうにかなってしまいそうで…覚悟はしていたはずなのに、冷静でいようとしていたはずなのに…何故か身体が熱い。

「あ、ああ…そうだよな、ごめん」

慌てたように言いながらフリオニールも着衣を脱いでいく。
まずバンダナを外し、結った髪を解いた…その瞬間に、目の前にいるフリオニールが全く別人の様に見えた…気がした。
意外と髪が長かったんだなとか、その髪も見えている部分は柔らかそうに見えるのに結っている部分はさらさらしているんだなとか。
そしてそれよりも何よりも…髪を解き、裸に近づいていくに連れてフリオニールがやはり男なんだということを改めて思い知らされる。
例えば…先ほど服の上から抱きしめられただけでも感じていたが、しっかりと引き締まった無駄のない体躯がライトニングの目を引く。
ところどころに残る傷跡は彼が戦いの中を生きていた証。
初心で、鈍感で。でも、戦いの中では力強く頼りになる。そんなところに気付けば惹かれていたのだとライトニングは不意に思い出す。
そして、やはりと言うかなんというか…その体躯よりも更に目を引くのは、彼が男であるということの何よりの『証拠』。
当然ライトニングにとっては初めて目にすることになる、既に天を衝かんばかりに自己主張をするその部分からどうしても目が離せない。
先ほど自分でフリオニールに言ったことではある、最終的に何をどうするか位は知っているか、と。
改めて自分でもそれを思いだす…最終的に、自分の目を引くそれを受け容れる必要があるわけで、そのくらいは当然ライトニングだって知っているが…何をどうすれば「あれ」が自分の中に入ってくるのか想像がつかない。
多分今の自分の視線は先ほどのフリオニールのそれと同じくらい熱い…


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