くちびるに愛を乗せ-6/6-






「…待て…もう…」
「うん…俺ももう我慢できない」

フリオニールは立ち上がると、そのままライトニングの片脚を抱え上げる。それに呼応したようにライトニングの腕がフリオニールの両肩に回った。
脚が大きく開かれたことで秘所が露わになり、それを確かめるとフリオニールはそこに昂ぶりを押し当て一気に腰を進めた。

「ん…!」
「…なんか今日、いつもよりきつい…」

それは感覚的なものでしかなかったが、いつもよりもきつく締め付けられているように感じて…その素直な感想がフリオニールの口からは滑り出る。
しかしそれはそれとして、その感覚をもっと深く味わいたいと思ったのもまた事実…その欲求の赴くまま、フリオニールは何度もライトニングを貫く。
肌がぶつかり合う音とふたりの吐息、声、鼓動。それしかもうお互いの耳には届かない。
体勢が体勢なのであまり激しくは動けないがそれでも充分すぎるほどの刺激を受ける…先ほど一度果てたと言うのに限界はすぐそこまで押し迫っていた。

「ライト…俺、あんまもたないかも…」
「っ、私も、もう…フリオニール、一緒に…!」

その言葉と一緒にライトニングが自分にしがみつく力が強まる。そしてびくりと大きく身を震わせたかと思うと一際強く締め付けられ…それに耐え切れず押し留めていた劣情がライトニングの中へ吐き出される。
激しく乱れた呼吸が整うまでの間、ふたつの身体はひとつに繋がったままきつく抱きしめあっている。
何度肌を重ねても、何度共に絶頂の時を迎えても…飽きることなど決してない幸福がふたりの身体を満たしてゆく。
言葉を重ねて確かめるのとはまた違う愛の形を確かめ合うように。

「…そう言えば俺、気になってたんだけど」
「何がだ」

暫しその場で、激しい時間を過ごしていたことを気取られぬ程度に乱れた呼吸と衣服を整えてから野営地のほうへ戻り始めたふたりだったが…不意にフリオニールが自分の1歩後ろを歩くライトニングに声をかける。

「なんか今日のライト、変に乗り気だったような…俺、絶対嫌がられると思ってたからそれが意外で」
「…お前はやっぱりもうちょっと女心と言うものを理解したほうがよさそうだな」

ライトニングはひとつ息を吐いて、結ったままのフリオニールの後ろ髪に触れて…小さくくすくすと笑う。

「自分のすることでお前が喜ぶのなら私が嫌がるわけがないだろう」
「…なんだろ、俺やっぱりライトには絶対勝てない気がしてきた」

どうしてライトニングはここまで…言葉にせよ行為にせよ、自分を喜ばせる術を理解しているのだろう。
ともすれば冷たく見える中でも惜しみなく自分に与えられる愛情を感じて、それがたまらなく嬉しくて…フリオニールはそっとライトニングの肩を抱き寄せた。
先ほどまでの激しさとはまた違う穏やかなぬくもりと愛しさに満たされて、フリオニールは己の幸せを再び噛み締めるのであった。


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