くちびるに愛を乗せ-4/6-






「…悪い、遅くなって」
「そっちは同じテントになるメンバーに左右されるからな。こっちはいつも同じ顔ぶれだから話が早くて助かっているが」

ライトニングはそんなことを言いながら、一旦フリオニールに背を向けてあたりの様子を伺う…
そのまま、野営地とは反対方向にある森の中へと足を向ける。

「森の中なら誰にも見つからない…か?」

確かに興味があったのは事実だが、寧ろライトニングの方が自分より乗り気になっている気がしてフリオニールは逆に気が引けてしまう。
と言うか、ライトニングは無理をしているのではないかとすら思ってしまうほどに。
しかしそんなフリオニールの考えを知らないライトニングは、丁度倒木が重なり合って野営地から陰になり姿が見えない場所を見つけ出すとそこに腰を下ろした。
その後に続いたフリオニールは、ライトニングの背後でどうしたらいいかとぼんやり立ち尽くしている。

「…フリオニール…ここに」

ライトニングが自分を呼ぶ声。それに呼応するように、フリオニールはライトニングの隣に腰掛けた。
隣に座ったことでじっと自分を見据える視線…それがどこか気恥ずかしくて、何故かフリオニールはライトニングと目が合わせられない。

「何で今更お前が照れているんだ」
「照れるに決まってるだろ…今更って言われても」
「…その割には…『こっち』は随分期待してるようだが」

ライトニングの手はなんの躊躇いもなく…服の上から既に熱を持ち始めていたフリオニールの下半身に触れる。
確かにひそかにこれから起こることを想像してはいたが、自分の身体のあまりの正直さに自分自身で思わず呆れてしまう…

「っ、それは…」
「とりあえず、じっとしていろ」

フリオニールの答えを聞くよりも先にライトニングの手がベルトにかかる。
慣れた手つきでベルトを緩め、そのまま一気に着衣ごと引き下ろす…露わになった素肌に、跪いたライトニングの手が触れる。

「さて、私は直接見ていないからある程度想像で進めるしかないわけだが…お前が見たとおりに指示してくれ」

そう言うが早いか、ライトニングは自らの手で露わにした陽物の先端にそっと口付けた。
…当然繋がり合ったことももう一度や二度ではないし、手で触れられたこともないわけではない。
だが、そのどれとも違う唇の柔らかな感触にフリオニールの背中に快感という名の電撃が走る…

「あ、の…俺が見た感じだと、もっと…舐めてたりとか、咥えてたりとか…」
「…わかった」

短くそう言うとライトニングは何の迷いもなくその唇から舌を覗かせ…そして、ちろりとその舌を昂ぶりへと這わせる。
生暖かく柔らかなその感触は今までに与えられたことのないもので。
無論ライトニングの方も初めてなのだろう、その舌の動きはどこかぎこちなくはあったものの確かな快感をフリオニールに与える。

「…っ、そこ…もっと…」

ねだるようにそんな言葉を漏らし、無意識に出たその言葉が恥ずかしかったのかフリオニールはライトニングから目を逸らした。
ライトニングは上目遣いでフリオニールの様子を窺いながらその部分に集中的に舌を這わせる。
やがて、その行為に夢中になっているかのように舌を動かしながらやがてぱくりと全てを咥え込み、舌だけでなく唇も使ってフリオニールに刺激を与え始める…
じわじわと身体を這い回る快楽と言う名の熱に浮かされ、段々とフリオニールの頭の中は思考を放棄し始める。
無意識のうちにライトニングの後頭部に手を回し、ちらりとそちらに視線を送ればライトニングは目を閉じて…時折薄く目を開いてはフリオニールを見上げ、そして時折吐息を漏らしながら一心不乱に唇と舌を動かしている。
その表情が普段より妖艶に見えて、身体的に与えられる刺激と別に…心にもまた与えられる刺激。
ちゅう、と軽く吸い上げられ、それがフリオニールの中の導火線に火をつける…

「ライト…もういい、俺もうっ…!」

制止の言葉にライトニングは咥え込んだまま首を横に振り、変わらずに唇を動かし軽く吸い上げながら舌を這わせ続ける。
もう何も考えられない…思考回路の全てが真っ白に染まる―!!


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