白い波に抱かれて-3/5-






「…何をしているんだ」
「いやなんかその…朝まで一緒にいられるんだなって思ったらなんだか、落ち着かなくて。そのほら、色々…久しぶりだし」

そんな風に言葉を繋ぎながらも、フリオニールの視線はシャツの裾からすらりと伸びたライトニングの脚に釘付けになっている。
別に普段からライトニングはミニスカートを纏っているのだから、今更と言われればそうなのだが…それでも、シャツ1枚だけを羽織ってかなり際どい部分まで見えている現状を見るなというほうが無理な話だ。
そんな挙動不審なフリオニールを見ながらライトニングはくすくすと笑う。

「まあ、気持ちは分からなくもないが少し落ち着け」

笑いながらライトニングはベッドに歩み寄り、いつものように脚を組んで座る。
フリオニールは引き寄せられるようにその隣に腰を下ろした。そして、どこかぎこちない所作でその肩に手を回す。

「なんだか動きが硬いな。まだ落ち着かないか?」
「…この状況でライトが落ち着いてる方が俺には不思議だよ」
「落ち着いているように見えるだけで本当は…幸せで仕方ないんだがな」

小さく笑いながら、ライトニングは解かれていたフリオニールの後ろ髪にゆっくりと手を伸ばした。
そのまま掌で掬うように指の間を通して梳き、いとおしくて仕方ないと言った表情でそれを見ている。

「普段束ねているから気付きにくいが、綺麗な髪だ…私の髪は巻いているから、真っ直ぐな髪の毛にはなかなか触れる機会がなくてな」
「…俺はライトの髪の毛も好きだけどな。しっかりしてるけどなんか柔らかくて」

肩に回した手をそのまま少し持ち上げてライトニングの髪の毛に触れる。
互いの髪の毛に触れ合っていることで不意に距離が近づいて視線が重なる…そして、それが当然であるかのように唇が重なった。

触れ合った唇は離れるのを惜しむように絡み合い、それでも時折離れてはまた近づいて重なり合い絡み合う…
そうしている間に2人の身体はもつれ合うようにベッドに倒れこむ。
髪に触れていた手はしっかりと繋ぎ合わされ、空いたままのライトニングの左腕はしっかりとフリオニールの背中に回されている…フリオニールは自然と右手をライトニングの頬に添え、それを切欠にしたかのように口付けは更に深く激しくなってゆく。
離れた唇が熱い吐息を零し、再び絡み合う視線…そこで2人は気付いた、自分たちが先ほどまで座っていたが為に上半身だけをベッドに倒した状態でいたことを。
フリオニールは先にベッドに上がり、そしてライトニングを迎え入れるように腕を伸ばした。
伸ばした腕にライトニングの手が触れ、そのままライトニングは勢いをつけたかのようにフリオニールの胸に飛び込む形になり…その勢いを受け止めたフリオニールはベッドに仰向けに倒れこんだ。
フリオニールの胸に身体を預ける形になったライトニングは少しだけ上体を起こし、フリオニールの手を取ると寝間着のボタンのあたりに導く。
それがどういう意味か瞬間的に理解したフリオニールの手が、ひとつまたひとつとボタンを外して行き…ものの数分もしないうちにライトニングの素肌が露わになる。

「…ほんと、いつ見ても思うけど…ライトは綺麗だ」

言葉にしながら寝間着の襟元に手をかけ、唯一纏われたそれを取り払う。
そのままライトニングの身体を抱き寄せるとその肩口に唇を落とした。
その後ライトニングの身体を組み敷き、肩口の次は首筋、そして鎖骨、胸元と唇を落とし始める。
柔らかなベッドに2人分の身体が沈み、ベッドが小さくきしむ音を立てる―

「…ちょっと待て、くすぐった…ん」

その言葉どおり最初はくすぐったそうに身をよじっていたライトニングではあったが、唇が身体に触れるたびにぴくりと小さく身を震わせる。
その反応に気をよくしたフリオニールはそっと、右手でライトニングの胸の膨らみに触れ…そのまま、既に硬くなり始めていた突起を指で転がす。
呼吸を乱すライトニングが身体を動かすたびにシーツが波打つ―もしかしたらきちんとしたベッドの上で彼女を抱くのは初めてかもしれない、そんなことをふと思いながらフリオニールは手を止めることはない。

「っ……フリオニール…今日、なんか…」
「ごめん…俺、今日は優しく出来る自信がない」

呼吸を乱しながら自分を見上げるライトニングの目を真っ直ぐに見つめ真面目な表情でそんなことを言い切る。
フリオニールの側ももう理性の限界が近かった。優しさを見せる余裕など、今のフリオニールには全くなくて。
彼自身、自分のどこにこんな感情が眠っていたのかと驚くほどに今はただ目の前のライトニングが…欲しくて、たまらない。


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