Chapter/14-1/4-






仲間達がひずみに向かった後の野営地では―

「さて。ガキどもが張り切ってんだ、オレも何かしなきゃいけねぇだろうな」

そんなことを言いながら見回りに出て行ったジェクトの背中を見送り、仲間達はそれぞれに警戒しながらも暫しの自由時間を過ごしている―
相変わらずクジャは馴れ合いを好まない、とでも言いたそうにひとりで皆に背を向けていてそれに一生懸命ジタンとバッツが何事か声をかけていたり、セシルとカイン、それにゴルベーザの3人が真剣な顔で何事か話し合っていたり。
黙ったまま何事か考えているクラウドに熱心に声をかけているティファや、真面目な顔で何事かを話しているオニオンナイトの言葉を熱心に聞いているティナと何故かラグナの姿があったり。

そんな中、フリオニールは薄く雲のかかった空を見上げぼんやりと考えていた。
それは昨日から…プリッシュを連れてひずみから戻ってきた後。ライトニングを抱き、セシルを探し、暗闇の雲との邂逅があり、一夜明けてウォーリアオブライトとガーランドが戦った―その間ずっと、フリオニールの中にあった「違和感」。
根拠なんてものはない。あるとしたらそれは―戦いを繰り返してきた中で分かるようになっていたひとつの勘めいたものと、そして自分がライトニングを愛しているのだと言う歪みのない想いだけ。
それをどう言葉にするべきか…フリオニールが考えているのはただそれだけ、だった。
ちらりと視線を送ると、ライトニングはライトニングで腕組みをしたまま岩に凭れぼんやりと何事かを考えている。一体今の彼女が何を考えているのか、それがどうしてもフリオニールには掴めない。
だが、今のライトニングに何か懸念があることにフリオニールが気づかないわけがないのだ―その程度には、自分はライトニングのことを良く見ている自負だってあったし。
他の仲間はそれぞれに時間を過ごしている。ライトニングの近くに誰もいない今であれば…意を決して、フリオニールはライトニングの隣へと足を進めた。

「…ライト。話がある」
「どうした?」

相も変わらず腕を組んだまま考え事をしていたライトニングは、フリオニールの声に顔を上げてそちらに視線を移す。こうして見れば、特に何か違和感を感じると言うこともないのだが―だがそれでも、ライトニングの態度が昨日自分がひずみから戻ってきた時からおかしかったという事実は変わることがなく。


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