Chapter/12-3/4-






「解き放たん!」

その叫びと共にガーランドの大剣からは炎が放たれ、その炎がウォーリアオブライトの身体を束縛するかのように取り囲む。
身動きが取れなくなり、ウォーリアオブライトの視線がただガーランドのほうへと動くだけ…振り下ろされた剣が自分に迫るのに気づきながら、それをかわすことすら今の彼には出来ない。

「しまっ…」
「弾けろ!」

束縛していた炎が燃え上がり、そしてガーランドの剣がウォーリアオブライトの身体を大きく打ち付ける。
地面に叩きつけられた衝撃でそのあたりの地面が抉れ、出来た窪みの底でウォーリアオブライトは苦しそうな表情を浮かべながらも立ち上がる。

「光は潰えない…この程度で倒れてなるものか」

傷を受けながらも立ち上がったウォーリアオブライトの瞳に宿る光は確かに弱まることを知らず…彼は何の躊躇いもなく再び剣を構える。
そのウォーリアオブライトにとどめを放つべく近寄ってきたガーランドは手にした大剣を二つに分け、ウォーリアオブライトに斬りかからんとその刃が襲い掛かったその時。

「させるかっ!」

少し離れた場所で戦いを見ていたプリッシュが、何の躊躇いもなくガーランドの剣とウォーリアオブライトとの間に割り込み…その身体がガーランドの剣によって大きく吹き飛ばされた。

「プリッシュ!」
「何ッ…」

唐突に現れたプリッシュに怯んだのか、一旦ガーランドが攻撃の手を緩める。
プリッシュが現れたことで一瞬だけ動揺の表情を浮かべはしたが、ガーランドに生じた隙を見逃すウォーリアオブライトではなかった。

「行くぞ!」

大きく円を描くように放られた盾が再びガーランドの身体を捕らえ、そしてウォーリアオブライトの剣は容赦することなくガーランドの身体を斬りつける。
そして微かにその巨体が浮き上がった隙を突き、剣を振り上げガーランドを上空へと打ち上げた。そしてそのまま、手を緩めることなくガーランドを追う。

「輝きの刃よ!」

ウォーリアオブライトの身体が光を纏い、纏った光がガーランドの身体を飲み込むように襲い掛かる。そしてその光は大きな刃の形を成してガーランドの身体を再び上方へと打ち上げた。

「だが、これしき…!」

態勢を整えなおしたガーランドは手の中の大剣を斧の形に変え、ウォーリアオブライトに向かって力強く振り下ろす。
しかしそれを予測していたかのように、ウォーリアオブライトは身体の前に盾を翳した。ガーランドの斧の攻撃は、翳された盾によってウォーリアオブライトには届かず…ガーランドの身体は弾かれたように一瞬だけよろける。

「輝け!」

ウォーリアオブライトの叫びと同時に、翳された盾が光を纏い力強い波動がガーランドに向けて放たれる。
その波動に撃たれ、ガーランドの身体は再び弾き飛ばされる―先ほどその身が打ち付けられた崖に再びガーランドの身体が叩き付けられ、そしてガーランドはその身を折る。
ちらりと横目でそのガーランドを見据え、ウォーリアオブライトはいつもの如く冷静に一言だけ言い放った。

「…私たちは先を急がせてもらう」

そのまま、少し離れたところで吹き飛ばされたまま蹲っているプリッシュに歩み寄ると表情を変えないまま手を差し伸べる。


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