Chapter/07-5/5-






「面白いものを見せて頂いた事ですし…今すぐと言うのは流石にお断りしますけれど、わたくしの平安が守れないような事態になると思ったらまたいつでもいらっしゃいな。惜しみなく力を貸しますわ」
「…できればそのような事態にならないことを祈りたいけどな」
「ええ、わたくしもそうであればいいと思っておりますわ」

そこでシャントットはくるりと踵を返し、一行からとことこと離れてゆく。
ありがとう、と短く呟いたウォーリアオブライトの声は果たして聞こえていたのだろうか…元々小さい所へますます小さくなってゆく背中を見送りながら一行はそんなことを考えていた。

「おばさんはあー言ってるけど俺はついていくからな」
「…プリッシュ。聞こえていますわよ」

既にこちらの話など聞いていないと思っていたシャントットが振り返ったのに呼応するようにプリッシュは一度目を逸らす。
しかしすぐに、にぃっと笑みを浮かべてウォーリアオブライトを見上げその肩を軽く叩いた。

「お前がどのくらい強くなったか確かめてやるよ。そのためにも、俺もついてく」
「ああ…君が来てくれると心強いな」

返された言葉にプリッシュは心から嬉しそうに笑みを浮かべる…白い歯が覗き、褐色の肌と相俟ってその輝きが不思議と映えていた。

「とりあえず、俺にはもっと詳しい話聞かせろよな。そっちの鎧のおっさんと裸のおっさんからも」
「遠慮のねえガキだな、おい」

ジェクトの苦笑いに釣られたかのようにフリオニールは苦笑いを浮かべスコールは眉根を寄せる。
ウォーリアオブライトは一瞬だけ表情を緩めたがすぐにいつもの無表情に戻り、シャントットとは反対側へ踵を返した。

「話は帰りながらでいいだろう…他の仲間が心配だ」
「ああ…大丈夫だと思いたいが」

フリオニールの呟きが、ひずみの中にゆっくりと響く。
その響きがどこか不気味なものにさえ聞こえた―その意味を知るものは、そのときその場には誰も存在しなかった。


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