Chapter/05-2/4-






ライトニングは言われたまま、遠巻きにフリオニールとウォーリアオブライトが話している姿を眺めていたようであったがフリオニールが戻ってくると表情を引き締める。

「…君に話す、ってことを伝えておいた…まあ、次に何かが起こったらあの人もみんなに話すつもりだと言ってたから遅かれ早かれ君の知るところにはなったんじゃないかなとは思うけど」
「それは丁度良かった。あいつに聞くよりは、お前が当事者である以上お前から聞かせてもらった方がいい」

冗談めかしてそんなことを言いながらライトニングは人気のないほうに向かって歩き出した。
いずれ仲間達に伝えられることとは言えこの話を今他の仲間に聞かれるのが好ましくないと言うことをライトニングがきちんと理解してくれているように思えて、フリオニールはそれだけで彼女への信頼の思いを強くするのであった。
そして、仲間達から少し離れた森の中…そこでライトニングが振り返ったのを確かめて、フリオニールは言葉を紡ぎ始める。

「どこから話せばいいんだろうな…とりあえず、簡単に言うと皇帝は今、アルティミシアと手を組んで神々がいなくなったこの世界の支配を目論んでるらしい」
「…お前が狙われたのは、皇帝にとって宿敵であるお前がその計画の妨げになるから―と言う解釈で間違っていないか?」

ライトニングの問いかけに、フリオニールは大きく頷いた。
こういうとき、ライトニングは話が早くて助かる―内心そんなことを思いながら、フリオニールは次に何を話すべきかと頭の中で組み立て始めた。
尤も、「本題」に当たる部分は既に話してしまっている。自分が狙われていることとその理由さえ知っていれば後は枝葉の部分となりはするのだが、それでも…フリオニールはきちんと全てを話さなければならないとそう思っていた。

「ゴルベーザとジェクトが俺たちのところにやってきたのは、彼らが皇帝の配下に入ることを拒否して皇帝に追われているからだ」
「…突然あいつらが私たちの元に現れたのはそう言う理由だったか。確かにその話を聞かせるとなればジェクトがあれだけ強引にお前を引きずって行ったのも分かる気がするな」

自分たちのもとにゴルベーザとジェクトが現れた日の出来事を思い出したのか、ライトニングはそう呟くとひとつ溜め息をついてみせた。
確かにあの時ライトニングは半ば拉致されるような形でフリオニールがジェクトに連れて行かれた姿を目撃していた―それを思い出して、フリオニールはふと恥ずかしくなったりもするが今はそんなことを言っている場合ではない。
ライトニングはフリオニールを見つめたまま話を聞いていたが、ふと気になったのかそこで話を止めるかのように口を開く。

「それで…このことを知っているのはお前とあいつの他に誰がいる?」
「あの時一緒に話を聞いたのはセシルとティーダ、それにスコール。あと、ティーダがユウナに話したのと…ゴルベーザがイミテーションに襲われた時に一緒にいたカインも話は聞いたみたいだ」
「ティーダはユウナに話したのにお前は私が直接巻き込まれるまで話そうとしなかったのか」

ライトニングの呟きがどこか拗ねているようにすら聞こえて、フリオニールは慌てたように首を振る。
勿論、その誤解を受けることは仕方のないことではあるのだがそれにはきちんと理由があるのだということをライトニングには理解してもらわなければならない、わけで。

「俺達がその話を聞いた時はまだ、皇帝が直接俺を狙ってくるかどうか不確定だったから…君を巻き込まずに済むのならそれで済ませたいと思っていた」
「急に守りたいと言い出したのはそれでか」

ライトニングの問いかけには頷きを返す。
本当なら巻き込みたくはなかった、それは紛れもないフリオニールの本音。そして、ユウナとライトニングの違うところ―

「でもジェクトは違う、皇帝に従う意思はないとはっきり示したことで皇帝に追われていた。ジェクトと縁がある以上ティーダやユウナが巻き込まれることは多分避けられないから先に話しておくべきだろうとティーダとあの人が話し合った中でそう決めた、らしい」
「しかしお前が狙われる危険があった以上、私が巻き込まれることは予想できていたと思うが」
「皇帝が俺と君との関係を知っていると思うか?…きっと皇帝からすれば君は俺とは全く無関係に見えていた、はずなんだ」


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