Chapter/04-1/5-






カインが見回りを行っている時にゴルベーザがイミテーションの襲撃を受けたと言うこと、そしてそれに伴いゴルベーザが今起こっていることをカインに話したと言うことは翌朝にはウォーリアオブライトの知るところとなっていた。
そして、事の展開を聞いたウォーリアオブライトは現在起こっていることを知っているジェクト、それにセシルやティーダやユウナ、フリオニールとスコールをひとつのテントに呼び集める。
前夜の出来事についてはゴルベーザとカインの口から語られ、たまたま居合わせたフリオニールが補足するようにその出来事が真実であると証言する―全ての話を聞き終わったところで、セシルはひとつ大きく息を吐いた。

「それにしても、その時現場にいたのがカインでよかった…他の仲間だったらまた話がややこしくなるところだったんじゃないかな」
「これがヴァンやラグナだったりしてみろ、俺には到底説明できない」

呼応するようにスコールがそう答え、名前を挙げられた2人の顔を思い浮かべたのか一行は一様に苦笑い。
しかし、笑っている場合ではないのは確かなのだ。少なくともゴルベーザの…勿論、ゴルベーザはジェクトと共に皇帝の元から逃げ出したのだから必然的にジェクトも、かつて調和の神の戦士達だったものと共に行動していることは皇帝に露見していると思ったほうがいいだろう。
そうなると仲間達に危機が迫る可能性がある―2人と共に行くと決めた時にウォーリアオブライトが決意していたことではあったが、それでも予想外に早かったせいかその表情には苦々しいものが浮かんでいる。

「今回はたまたま、外にいたのがゴルベーザさんだったからゴルベーザさんが狙われただけかもしれません…でも、私たちももしかしたら…」

呟いたユウナの視線は微かに落とされ、地面を捉えている。
ユウナの言うことも尤も。もしもその時現場にいたのが他の者であればどうなっていたことか、と考えるとそれだけで頭が痛い…どころの騒ぎではなく本心から悩ましい。

「他の仲間が巻き込まれる事態は避けられないだろうが、できれば巻き込む人数は少ない方がいいと俺は思っている」
「巻き込まれたお前が言うとかなり妙な話に聞こえるな」

カインの言葉をジェクトが混ぜ返すが、言ったほうのジェクトの表情は真剣そのものだ。
彼は彼なりに、かつて…仲間として共に戦い、そして敵として相対した戦士達のことを考えているのだろうか―

「だがだからと言ってここにいる者たちが常に独りで行動すると言うわけにもいかないだろう。しかしここにいる9人だけが常に固まって行動するわけにも行かない」

ウォーリアオブライトは一行の顔を順番に見回す。
それに呼応したようにスコールが小さな声で呟いた…口には出さずにいようとしていたのかもしれなかったが、それではいけないと彼なりに思ったのだろうか。

「遠ざけようとしても近寄ってくる奴らは確かに存在するからな」
「バッツとジタンっスか。確かに、スコールが独りになろうとしてもあの2人は納得しなさそうっスよね」

勿論、常に一緒に行動していた仲間達が思い浮かべていたのは皆同じ2つの顔なのだが敢えてそれを口に出したのはティーダだった。
だがそれに対してスコールから言葉が返ることはない。ただ、小さく短く頷いただけだった。
ティーダの言うことが間違っていないのは分かっているから、今更何か言う必要はない―スコールからはそんな空気が感じられて、誰もそれ以上スコールに言葉を求めることもなく。
しかし、そんなやり取りの中…

「フリオニール、何をぼんやりしている」
「え、ああ…」

ウォーリアオブライトの呼びかけにはやや咎めるような色が含まれている。


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