Chapter-01+-3/3-






「態度はあれだがケフカは充分に使えるようだな」
「…その態度が一番問題といえばそうなのかもしれませ…皇帝?」

アルティミシアの言葉を遮ったのは、アルティミシアの腰を引き寄せて自分の膝の上に跨らせた皇帝の手の動き。
なるほど、彼自身も続きを求めているということだろうか―
相変わらず言葉もなく己の身体をまさぐる皇帝の手の動きに、アルティミシアは小さく息を吐きながら目を閉じて身体を委ねた―


「まーったく、支配だなんだーって言いながらなーにを乳繰り合ってんだか」

誰もいない廊下でケフカは大きく両手を広げてみせる。
そこにあるのは観客のいない道化のひとり芝居―無論、ケフカ自身そのことを不審ともなんとも思っていない。
誰もいないからこそ彼の動きは余計に芝居がかっているのかもしれない。観客がいるとしたらそれはケフカ自身。

「ま、デカイこと言ってられるのも偉そうなことが出来るのも、公然とイチャイチャできるのもぜーんぶ今のうちだけなんだけどね、ホッホッホ」

大袈裟な動きで笑いながら、ケフカは一度だけ先ほど辞去した皇帝の玉座の間の方を振り返る。
扉は閉ざされているし、今のケフカの位置からでは―どういう経緯で空けられたものかケフカ自身は知らないが―人1人が入れるくらいの大穴ももう確認することは出来ない。
つまり今のケフカに、皇帝やアルティミシアの姿はもう見えないが…彼自身はその視線の先に、2人の姿を映している…
彼のことを味方だと、仲間だと思っているはずの皇帝やアルティミシアは今は己の欲望に耽溺している頃だろう。
しかしケフカが抱いている欲望はそんな…ケフカからすれば低次元なものではない。

「今は好きにしていればいい…いずれ私が全てを破壊する」

化粧の下のケフカの表情が心の底から楽しそうだったことを―見ていたものは、やはり誰一人として存在しなかった。


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