助言-2/3-






「まずひとつ。オレが声かけた時、お前明らかに表情変わってたぞ。なんて言うかこう、めんどくさそうな感じ?ライトともっと話していたかったのにーみたいな」
「別にそんなこと、思ってたわけじゃ…」
「無意識かよ。じゃあもうかなり重症だなお前」

ひとつ、と言った時に立てた人差し指をそのままフリオニールの方に向けてから軽く振ってみせ、そしてジタンは更に言葉を続ける。

「ふたつ。お前今日の昼間ずっと様子おかしかっただろ。それが、ライトとどっか行って戻ってきてからいつもどおりに戻ってる。つまり、ライトとの間に何かがあったと考えるのが自然」
「それは否定しない…と言うより、様子がおかしかったって言うのも正直に言えばライトに言われたことでちょっと悩んでて、ライトがそれを謝ってくれたから」
「お、そこは否定しないんだ。じゃあ話が早いな。そんじゃみっつめ…と言うか、オレが最初にそうじゃないかなと思った切欠なんだけど」

ジタンは数を重ねるごとに1本ずつ立てた指を増やしていく。

「実はオレ聞いちゃったんだよなー、お前が寝言でライトの名前呼ぶの」
「…え、それ…本当か?」
「この状況でカマかけるためにくだらない嘘つく必要はどこにもないだろ?」

ジタンの言うことは確かにもっとも。本当も嘘もフリオニール本人には判断しようがないが、そんな嘘をつく理由が一切ないしジタンはそんなつまらないことをする人間ではない―そもそも尻尾が生えている時点で人間じゃないのは分かるが論点はそこではなく。
それに、判断は出来ないまでも―夢にライトニングが出てきたりと思い当たる節がないではなかったし…

「まぁ、フリオニール見てるとさ…どうしていいかわかんないって感じがビシビシ出てるからオレから何かアドバイスできればなーと思ってさ」
「べ、別にそんなの必要ない…だってそんなまだ、そう言う…なんて言うんだろう、そう言うんじゃないし…」

慌てたように首を振るフリオニールをジタンは不思議そうに見上げている。

「お前、いっつもはこっちがビックリするくらい前向きなのにたまにそう言う弱気な発言が出るんだよな」
「だって、ライトは仲間だぞ?下手なことをして仲間としての信頼関係を壊したりできない…」
「オレから見てるとライトもまんざらでもなさそうに見えるんだけどなー」

ジタンの言葉にフリオニールは耳を疑った。
まんざらでもなさそうに見える?どこが?自分とライトニングはただの仲間でしかないのに?
その言葉は口から出ることはなかったが表情にはしっかりと出ていたようで、ジタンはぽんぽんとフリオニールの肩を叩く。

「お前、もうちょっと自信持っていいと思うぞ?仲間にこういうこと言うの照れくさい気もするけどさ、お前黙ってりゃ結構いい男だとも思うし」
「黙ってりゃ、は余計だ」

フリオニールの言葉にジタンは短くごめんごめんと返し―しかし、躊躇いなどをまったく見せないまま言葉を繋ぐ。

「けど…好きなんだろ?ライトのこと」
「それは…」

ズバリと聞かれて、フリオニールは言葉に詰まる。
ジタンの質問に対して返せる答え…フリオニールは、「肯定」しか持ち合わせていない。
しかしあまりに直接的なその言葉を口にするのはなんだか躊躇われて、フリオニールは誤魔化すようにジタンから視線を外した。


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