乙女達の密談-2/3-






しかしそうは言われても、自分とフリオニールの状況とティナとオニオンナイトの状況ではあまりに違いすぎている。

「気にするも何もフリオニールは言うことも考え方もとっくに大人だし、それ以前にあの図体だろう。確かに時々子供っぽくはあるが年はとっても童心を忘れないラグナみたいなのもいるし、フリオニールを年下だと特別に意識したこともないんだが」

そう、一番の違いはそこだ。
18歳とは言えフリオニールはとっくに大人だと思っている。精神的な意味でも、身体的な意味でも。
身長だって自分より高いし、それに夜になれば大人の男の顔を覗かせる…と、余計なことまで考えてライトニングはその考えを追い払うように小さく首を横に振った。
しかし、オニオンナイトは…どう贔屓目に見てもまだ子供だから、余計に気になるのかもしれない。本人も、ティナも。

「…そうか…そうだよね」
「そもそも、お前だってフリオニールと同い年なら分かるだろう。私をそんな、とんでもなく年上みたいに思っているか?」
「お姉さんだなあとは思うけど、そこまでものすごく上だとは思わない…かな」
「つまり、私とお前では状況が大きく違う…それを前提とした上で」

少ししょんぼりとした様子になったティナをちらりと見て、ライトニングは更に言葉を繋げる。

「あいつがそれを気にしているのは仕方ないことかもしれないが、それはお前が言ってやればいいことだろう。そんな急いで大人にならなくても、今のままのあいつでいい…って」
「ライト…」

顔を上げたティナを見て、ライトニングは自分の読みが当たっていたことをはっきりと悟る。
そのまま畳み掛けるように言葉を繋ぐ。今のティナが求めている言葉はなんとなくとは言え自分の中に見つかっていたから。

「そう言うことなんだろう?今のままのあいつで構わないと思っているのに、あいつが気にするからお前も気になる」
「うん…そうなの。私が気にしていたのはそこ…」
「なら、答えは簡単だ。あいつが求めているのはティナの言葉なんだから、ティナがしっかりとあいつに気にするなって言ってやればいい」
「…やっぱり、ライトってお姉さんだなあ…」

ティナは驚いたようにライトニングをじっと見つめている。
―さっきは状況が違うなどと思ったが、実は存外そんなこともないのかもしれない―ティナの驚いた様子に、ライトニングは小さく笑みを浮かべた。

「…フリオニールがまったく一緒なんだ。私に関してどうでもいいことでぐだぐだ悩むくせに、私がそれを気にしていないと知ったらそれだけで悩むのをやめる…悩みの元凶が私だからな、その私がその悩みを否定してやればそれで納得するんだ」
「ねえ、ライト」

ライトニングのその言葉を聞いていたティナの表情には、柔らかな笑みが浮かんでいた。

「さっきライトは、私とライトの状況が大きく違うって言ってたけど…やっぱり、似てるのかもね」

自分が思っていたのとまったく同じことをティナから言われ、ライトニングも釣られたように笑みを零す。

「かもしれないな。と言うより、あいつとフリオニールが似ているのかもしれない」
「…あの子、フリオニールほど素直じゃないよ?」
「ああ、自分で言っておいてなんだがフリオニールはあいつほど頭の回転は早くないな」

自分たちで言った言葉が可笑しかったのか、ティナとライトニングは顔を見合わせてほぼ同時に吹き出す。


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