乙女達の密談-1/3-






珍しいこともあるもんだ、とライトニングは思っている。
何せ、今目の前にいるのはティナ。
同性であるが故に一緒に行動することは多いが、大体ティファかユウナも含めて3人か4人でいるのだが…ティナから直々に「ライトに相談したいことがあるの」と言われたので仲間から少し離れたところで2人で話している、と言うわけだ。

「で、私に相談とはなんだ」
「うん、あのね…その前に、ひとつ確認しておきたいの。ライト、いくつだったっけ?」

相談と自分の年齢がどう繋がるのかが今ひとつ良く分からず、ライトニングは首をひねる。
しかしティナの表情は真剣そのもの。何か意味があるのはそれだけでも見て取れる。

「21歳だがそれがどうかしたか」
「…うん、じゃあ話の続きするね」

一体自分の年齢を尋ねてティナが何をしたかったのかはよく分からないが、それでもその言葉にライトニングはひとつ頷いた。ティナの話を促すように。
ティナは躊躇いがちな様子ではあったが、それでも一度ライトニングの方を見てから話を続ける―

「…あの子が、ね。気にしてるみたいなの…自分の年齢のこと」
「気にするも何も確かあいつは自分の年齢を覚えていないんじゃなかったか?」

そんな話を誰かから聞いた記憶があった。
オニオンナイトは自分の名前を覚えていない。更に言うなら年齢も覚えていない。じゃあ一体何を覚えているんだと首をひねったものだったが…

「そうだけど、少なくとも18歳にはなっていない…でしょ?」
「ああ、まあそうだろうな。しかしなんで18歳なんだ」

18歳、と言う年齢の区切りに何の意味があるのかライトニングには分からない
ライトニングの表情を見て、ティナは付け加えるように一言。

「…私がね、18歳なの」
「そうなのか。もっと若いのかと思っていた…ああ、いや変な意味じゃなく」

18歳、と言う年齢には色々と思うところがある。
フリオニールも18歳だし、うすらぼんやりとしか残っていない記憶だが元の世界に残してきた「家族」が丁度18歳くらいだったような…そんな、気がする。
そのせいもあってか、目の前のティナがその「18歳」だということに対してちょっと意外だったというのは事実だった。

「まあ、そうだよね。前にスコールにも驚かれちゃった、年上だと思ってなかったって」
「…スコールはティナとは逆の意味で年齢を聞いて驚いたがな」

ライトニングの発言は確かに的を射ていたからか、ティナがその言葉にくすくすと笑みを零す。
しかし、すぐに真面目な表情に戻って口を開いた…ライトニングはその言葉を待つようにティナの方に顔を向けた。

「それでね。あの子最近良く言うの、『早く大人になりたい』って。もしもそれが、私の年齢のことを気にしてるんだったら…なんだか、あの子に悪いなって」
「概要は分かった。それで、私に相談したいことと言うのはなんだ?」
「…ライトは、フリオニールより自分が年上だってことで色々考えたことがあるのかなあって思って…それが聞きたかったの」

なるほど、それで最初に年齢を確認されたのか…とそこでライトニングは初めの質問の意図を悟った。


←  Next→





SHORT STORY MENU / TEXT MENU / TOP
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -