彼女たちの恋語り-3/3-






「…なんか、クラウドとティファって…凄く分かり合ってるって感じがする」

ティナが漏らしたそんな一言に、ライトニングとユウナは深く頷くだけであった。
その言葉になんだか照れ笑いを浮かべたティファであったが、ふと思い出したかのようにユウナに視線を戻す。

「ところで、ユウナの相談の続きだけど」
「あ…はい」

すっかり話が変わってしまっていたが、そこで引き戻されてユウナは真面目な顔でティファの方に視線を移す。
ユウナはそもそも自分の相談から話が始まっていたことを忘れていたのか、そもそも何の話をしていたのか言われて思い出したかのようにティファのほうを見た。

「恥ずかしいのはしょうがないし…それをティーダにも分かってもらいながら、ユウナも慣れていけばいいんじゃないかなあ」
「分かってもらいながら慣れる…ですか」
「恥ずかしいけど嫌じゃない、でしょ?」

ティファの言葉にはユウナは頷きだけを返し、それを見たティファは満足げに微笑んだ。
ライトニングもそのアドバイスは的確な気がしていたので同様に頷いている。彼女自身の状況を話して笑われたことについてはもう考えないことにしたらしい。
その2人の様子を見ていたユウナは恥ずかしそうな表情を浮かべながらも納得したかのように目を閉じ、何事か呟いてみせた―微かに聞こえたままだと判断すると、頑張ります―と。
―そして、3人のやり取りについては黙って聞いているだけだったティナがそこで漸く口を開く。

「…やっぱり、みんな結構大変なんだね…あの子はそう言うこと一切言わないから、私そんなの考えたこともなかった…自分でも、そう言うのは私たちにはまだ早いって思ってるし」
「互いがまだ早いと思っているならそれでいいんだろう。肌を合わせることが互いにとって必要だと思う時が来たら自然とそう言う空気になるものだ」

何かを思い出すようにふと視線を上方に彷徨わせるライトニング―また何か聞かれるかな、とほんの少しだけ思ったが誰も詳しく聞こうとはしない―
ともすれば、ユウナやティファは気付いているのかもしれない。自分がフリオニールに初めて身を委ねたのが、消滅に向かう戦いの直前だったと言うことに。
ライトニングはその時のことを思い出して小さく笑みを浮かべると視線を3人のほうに戻した。

「それぞれの考え方に拠るところも大きいだろうからな。フリオニールとティーダとクラウドとあいつがみんな同じ事を考えているわけがないし」
「ま、それはそうよね」

ティファも納得したように頷いて、ぽんとユウナの肩を叩いた。

「だからまぁ、ユウナも…頑張って。ね?」
「はい…頑張ります」

その言葉と同時くらいに、ユウナの口からは欠伸が漏れる…気付けばもう相当遅い時間となっているようだ。
4人はそこで顔を見合わせ、誰からともなく寝ようかと言う話になってくる―これもまた、いつもの話。
ティナが4人分の毛布を引っ張ってきて、それぞれが1枚ずつ手にするとそこに身を包んで横たわる。

「おやすみ、みんな」
「…今日は色々ありがとうございました。おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
「…また明日、だね」

そうやっていつものように言葉を交わしあいながらそれぞれが瞳を閉じる。
他愛のないそんな時間もまた、それぞれが愛するものと過ごす時間とは違う形で彼女たちの戦いに疲れた心を癒しているのだと…誰もがそんな風に思いながら。


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