彼女たちの恋語り-2/3-






「ただ…ああ、これからする話は絶対フリオニールには言わないで欲しいんだが」

ライトニングはそう前置きしてから、ユウナのほうを真っ直ぐに見据える。
フリオニールに対して言わないで欲しい、と言う条件をつけてまでライトニングが何を言おうとしているのか…それに興味があるのか、ユウナもティファもライトニングの言葉を待つようにそちらに視線を移した。
3人の視線を一身に感じながら、ライトニングの口が開かれる。その声はいつもの通り落ち着いていて、妙な説得力を持っているようにすら感じられて。

「一番最初の時、私もだがあいつも初めてだったんだ。それに誘ったのは私からだったせいか私よりあいつの方が妙に緊張していて、それを見ているとせめて私は冷静でいないといけないような気がしていて…恥ずかしがっている余裕などあの時の私にはなかった」

ライトニングの告白を聞いたティファとユウナ、それにティナは互いに顔を見合わせる…そして誰が最初だったのかはわからないが、3人は顔を見合わせてくすくすと笑い始めた。
その3人の笑いが心外だったのかライトニングの表情が微かに不服そうなものへと変わる。ライトニングからすれば、今の話のどこに笑われる要素が合ったのかさっぱり分からない。

「何が可笑しい」
「ごめん、違うの…なんか、フリオニールらしいと思って」

笑いながら話しているせいかティファの目の端には涙すら浮かんでいる。
実際ライトニングからすれば何がそんなに可笑しいのかが不思議でしかないのだが、それでも3人は笑いながらライトニングのほうを見ている―
ティファの言葉の意味さえどうにも納得できないライトニングはそちらを真っ直ぐ見遣り、問いを返した。

「フリオニールらしい、って」
「フリオニールね、未だに私と話すときに目が合わせられないみたいなの。と言うかどこを見ていいか分からないみたいで」
「それはお前がそんな格好をしているからだろう」

そんな、と言ってライトニングが指差してみせたのはティファの腹部の辺り、へそ周りの素肌が露わになっている部分。
ティファは首を傾げてみせたが、その発言にユウナとティナは納得したかのように頷いた。
胸と腰から下を覆うだけの露出度の高い格好をしているティファが相手では、「女慣れした範囲が未だにライトニング限定」のフリオニールが目のやり場に困るのも仕方のない話ではあるわけで。
言われた側のティファはそうかなあ、などと言いながら首を捻っていたが…その時にふと、ティナが思い出したように口を開く。

「そう言えばね、私不思議だったの。ティファはそう言う格好をしているけど、クラウドは肌を見せすぎって嫌がったりしないのかなあって」
「…何かあったんですか?」

唐突にティナがそんなことを言い出すものだから、ティナの問いにティファが答えるよりも前にユウナが話の主導権を奪う。
ユウナの問いかけに対して、ティナは何かを思い出したようにひとつ溜め息をついてから口を開いた。

「あのね、もう1つの服あるでしょ?あれを着る時はタイツを穿かないんだけど、そしたら『男はケダモノなんだからそんなに脚見せちゃダメ!』ってあの子に注意されちゃって」

微かにしゅんとした表情を浮かべるティナ…そして今度笑い出したのはティファとユウナとライトニング。
顔を上げたティナは何故3人が笑っているのかが分からず、微かに浮かんでいた落胆の表情は自然ときょとんとしたものへと変わった。

「あの子、意外と可愛いところがあるんですね」
「うん。普段の様子を見てるともっと、余裕ぶってるのかなーとか思っちゃうけどティナにはそんな可愛いこと言うんだ」

そしてこほんとひとつわざとらしく咳払いをして、ティファは―ティナの訊ねたことに対しての答えを言葉に変えていった。

「クラウドが内心どう思ってるかは私も知らない。でも、別にやめろとか言われたことはないから私も気にしてない」
「…どう思っててもクラウドは言わなさそうですしね」
「そう。それにあんまり身体を覆う範囲が広いと動きにくくなるでしょ?それを分かってくれてるからクラウドも何も言わないんだと思う」

確かにティファの戦い方を…己の拳や脚を武器にする戦い方を考えれば、動きやすさを重視する為にこの服装と言うのは納得のいく話ではある。
元の世界にいた頃からそうだったのであれば余計に、内心はどうあれクラウドがティファの服装についてどうこう言うことがあるとは考えられない。
尋ねたティナもその言葉に納得したのかしげしげとティファの姿を見つめていて…そしてその唇から言葉が漏れ出る。


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