朝食後、キイチはビスタから書類を受け取り自室で仕事をしていた。
―コンコン
「入れ」
「おー、やっぱキイチの部屋って刀ばっかりだなー」
「エースか」
入ってきたのはエース。キイチの部屋に飾ってある刀を珍しそうに眺めている。が、エースが背に隠している右手に持ってるのは数枚の真っ白な紙。それに気付いたキイチの顔が一気に険しくなる。
「…エース、何の用だ?」
「いいいいいや、俺はただキイチの部屋を見ようとだな…」
「エース」
「いやいやいやいや!!ホントに!!キイチの部屋入って書類を手伝ってもらってあわよくばそのまま一緒に昼寝しようとか思ってないから!!」
エース、心の声だだ漏れ。キイチの蟀谷に青筋が立った。ガタリと椅子から立ち上がり、にっこりと…それはもうにっこりと輝かしい笑顔を向けて一言。
「何 の 用 だ ?」
「ごめんなさい書類書くの手伝って下さい俺の顔の周りに水集めるの止めてええええぇぇぇ!!」
≡≡≡≡≡≡
エースへの書類指導が終わらせた後、キイチは航海士達に指示を出して部屋を出た。
「姉さーんっvV好きです!!」
「…………」すたすた
「スルーですか!?ちょ、待って下さい!!」
「……はぁ、何だ?」
「姉さんの溜め息色っぽいですね!!是非今度夜に「俺は用事があるから。じゃ」ああああすいません!!ちゃんと用件良います!!」
「で?」
「甲板の方でエース隊長とマルコ隊長が喧嘩してるんですよ。あとよかったら俺と付き合って下さい!」
「甲板か。直ぐに向かう」
「俺の愛の言葉をサラっとスルーしていく姉さんも好きだーvV」
キイチに言葉を流されたにも関わらず、嬉しそうにぴょこぴょこ飛び跳ねるセツ。それ以上セツに構うのを止め、キイチは甲板へ向かった。後から「ね・え・さ・ん・ら・ぶ!」とか叫んでるセツの声なんて聞こえない聞こえない。
「俺が先だ!!」
「俺が先だい!!」
「どうしたんだ?二人共」
「「キイチ!!」」
甲板で取っ組み合いをしていたエースとマルコ。クルー達がそれを遠目に見つめながらオロオロとしている姿がキイチの目に入る。声を掛けた瞬間にバッ!!という効果音と共に勢いよく振り返った。
「こんなところで隊長二人が喧嘩をしていたらクルー達に迷惑がかかるだろうが」
「「う………」」
「…それで、何の話をしてたんだ?」
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