「……よし」
今日は書類も(珍しく)皆ちゃんと出してたし早く終わらせる事が出来た。…ふぅ、昨日寝てないから辛い。特攻隊の不寝番も楽じゃない。
「やっと休め「キイチー!!」さて、昼寝でもするか」
「まさかのスルー!?」
「うるさいエース。やっと出来た俺の時間をお前の為に費やしてやる義理は無い!」
「俺弟なのに!!」
「いつも俺の時間を邪魔したあげく、無理矢理ここ(副船長室)で昼寝していく馬鹿を弟とは認めん」
「酷っ!!」
そのまま喚くエースを部屋から追い出し、部屋の扉に『エース立ち入り禁止』の貼り紙をした。ん?この貼り紙はいつでも貼れるように扉の側に何枚か用意してる。こんな時のためにキイチ。よし、やっと眠れ……
「姉さーんっvV」
……ない。そうだった…俺の邪魔をするのはエースだけじゃなくこいつ(セツ)もいたんだった…。
「……セツ…」
「何ですか姉さん!!添い寝なら喜んで「くたばれ」ぎゃああああ!!」
何やら色々と言っているセツに向かって部屋にある刀を投げる。悲鳴が聞こえたが気にしない。
「くっ……今日もいつも通りツンツンですね姉さん!!」
「うるさい」
「安心して下さい!!俺は姉さんにのみMになれますから!!」
「それ以前からお前はドMだから安心しろ」
「ぎゃあああああ!!」
セツの眉間を狙って刀(剥き身)を投げれば、何故か顔を赤らめながら『ツンデレ万歳!!』と言いながら去って行った。…うん、後で殺そう。
「副船長〜」
「……今度はなんだ?」
「…あ、お休みの所すみません。船長が副船長を呼んでますよ」
「……オヤジか…」
「キイチーvV」
…どっから湧いて出たエース。
「………すみません。貼り紙を見たんですが、副船長の部屋に入る時に一緒に入ってきてしまいして…」
「……お前は悪くないから気にするな…」
「ああ、お前は悪くないぞ!」
「お前が悪いんだよエース」
「キイチ、オヤジの所に行かないのか?」
「スルーか。エースのくせに」
「俺のくせにって何!?」
「……で、行かないんすか?」
「………………………………………ねむいからやだ。もうねる」
「ええ!?」
「じゃあ俺と一緒に昼寝しようぜ!!」
「……だまれ…エース……………そのくち…ひらけないように…ぬいつける…ぞ…………zzz」
「「(エグいっ!!)」」
≡≡≡≡≡≡
「グラララ、やっと起きたかキイチ!」
「悪い…オヤジ、何の用だ?」
「キイチ、最近お前忙しいんだろ?」
「?…あぁ、仕事とかエースとかセツとかエースとかでな…」
そう言うと、オヤジは俺を膝の上に乗せた。ぐんっと上がった視線に驚いて、慌ててオヤジの腕にしがみ付く。
「うわっ!な、何だよオヤジ!!」
「ここで寝ろ」
「え?」
「部屋じゃエースやセツがうるさいだろ?」
「オヤジ……」
「ここなら静かに寝れるだろ。今日はもう仕事はなしだ。夜まで寝とけ」
オヤジは大きな手で俺の頭を撫でてくれる。温かい掌から伝わるじんわりとした温度が眠気を誘い、ゆるゆると瞼が降りてきた。そっとオヤジに凭れ、意識が完全に飛んでしまう前に口を開く。
「…オヤジ……あり、が…と……」
「グラララ、あんまり無茶すんなよ馬鹿娘が」
撫でてくれる手は温かくて
(………zzz)
(キイチー…)
(姉さーん…)
(諦めろよい)
(流石にオヤジの所はなぁ…)
((((でも……))))
((((羨ましい!!))))
(グララララ!!)
*・*・*・*・*
短けぇ…。
∴13/10/14 修羅@
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