「アルってさ、何でキラーのこと好きなの?」
『!? な、何言ってんのナミみん!?』
「あんたこそ何言ってんの」
『ききき、キラーさんが好きとか、何、そんな、私、言って、どうして、』
「落ち着きなさい、アル」
『うぅ…ロビンー……』
「アルがキラーの事が好きだなんて一目見れば分かるわよ」
「彼を見た瞬間に顔が真っ赤になるものね」
『だ、だって…格好いいじゃん…』
「あら、見た目だけ?」
「(え、格好いいって…あの仮面が…?)」
『何その顔』
「…アルってミーハーだったかしら?ていうか、素顔見たことあるの?」
『ううん、キラーさんの素顔は見たことない。格好いいのは性格だよ。それに、顔と性格の格好よさは比例しないって知ってるから』
「あぁ…」
「性格ねぇ…。お兄さん達より格好いいの?」
『ロー兄を対象に入れてるならお兄ちゃんとキッド兄とお姉ちゃんに失礼だから止めてあげてね』
「とりあえずローさんだけは規格外なのね。知ってたけど」
「それでもキラーを好きになる理由は少ないんじゃない?」
『……誰にも言わない?』
「言わないわよ」
「言わない言わない」
『(本当かなぁ…)』
「いいから早く教えなさい!」
『(面白いネタを発見したと言わんばかりの顔をしていらっしゃる…)』
「ぜひ教えてほしいわ、アル」
『…私が小学五年生の時の話になるんだけどね』
「そんな昔から惚れてるの!?キラーなんて中三じゃない!?」
『……その時、前から貯めてたお小遣いを使って、お父さんの誕生日プレゼントを買おうとしてたの』
「(アルったら良い子…)」
『ちゃんと事前にプレゼントの値段を確認してたんだけどね、消費税のことを忘れてて…一応多めには持っていってたんだけど、レジのお姉さんに言われてあと十円足りないって気付いたんだよ』
「あら」
「アルにしては珍しいミスね」
『当時小学生の私にはどうにも…』
「それで、それがキラーとはどう関係してるの?」
『…十円足りないって分かった時に、私の後ろに並んでたのがキラーさんだったんだよ。私がレジのところで困ってたら、私の足元にしゃがんで「落としてたぞ」って十円を渡してくれたの』
「…え、それだけ?」
「…あら」
『でもね、私はちゃんと家でお金を数えてきてたから、十円足りないのは分かってたの。それに、ちらっとだけどキラーさんが自分の財布をポケットにしまったのが見えたんだ』
「……え」
「……あらあら」
『それから家に帰って、ちゃんとお父さんにプレゼントを渡せて、お父さんも喜んでくれたし、私も嬉しかったんだけど、それよりもキラーさんのことがずっと気になっててね』
「……」
『たった十円だって言っちゃえばそれまでなんだけどね。でも、その時のキラーさんは本当に格好良くて、顔なんて見えなくても、私にはキラーさんが凄く輝いて見えたんだ』

『……だからね、私にはキラーさんが凄く格好良く見えるの』


十円の神様
(当時のキラーって本当に中学生よね…?)

知ってる人は知っているネタですね。こんなことされれば誰だって惚れますよ。
もう少しキラーさん関係の話が続きます。

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