「アルは本当に可愛いな…」
「可愛いのは認めるが、お前が恍惚とした表情を浮かべてアルの写真を撫でながら言うと洒落にならないからやめろ」
「んだとキッド、俺のアルを侮辱するのか!?」
「侮辱してんのはお前だけだがな」
「キッドもローも喧嘩を止めないか」
「キラー屋は黙ってろ!アルに良い顔しやがって!おかげでアルの中のお前の株は急上昇してんだぞどうしてくれんだ!」
「(キラーの株が上昇してんのは最近からじゃないけどな)」
「お…おう…?悪かった…な…?」
「理解してないって顔すんのやめろ!100%お前が悪いんだからな!!」
「いや、キラーは何も悪くないだろ!!」
「じゃあ何が悪いってんだよ!」
「お前しかいねぇだろ!?何で「理解できない」って顔してんだよお前こそその顔止めろ!!」
「俺が悪い…?そ、そうか…俺が才色兼備で眉目秀麗で才能に溢れすぎているから悪いのか…!」
「勘違い甚だしい!!」
「お前等はいつもこういう会話をしているな。飽きないのか?」
「飽きたわ!!」
「おいキラー屋、お前は俺の何が悪いと思う?アルを愛しすぎていることか?それともアル愛に溢れすぎててアル専用のアルバムとビデオテープを作りまくることか?」
「自覚してんじゃねぇかよ!!明らかに後者だろ!!」
「キッドには聞いていない!!(右ストレート)」
「おぶぅッ!……お前から理不尽な暴力を受ける日が来るとは…!」
「いつもじゃないのか?」
「いつもは理不尽じゃない暴力を受けさせてるからな」
「あぁ…」
「それで!キラー屋は何が悪いと思うんだ!?」
「……そうだな、」
「……」ドキドキ
「……」
「…ローがアルに対して、好きだという感情を表に出し過ぎるのが良くないんじゃないか?」
「? だがそうしないとアルには分かってもらえないだろう?アルは鈍感な所があるし、きちんと言う事は言わないと俺がアルをどれほど愛しているか分かってもらえない」
「だが、そうしてみて今現在のアルの様子はどうだ?ローの愛について何か一つでもきちんと真面目に返してもらえたことがあるか?」
「……!な、無い…!!」
「……」
「だろう?『押してダメなら引いてみろ作戦』だ。お前の押しは強すぎるし、引いたと見せかけてまた更に押そうとする悪い癖がある。今のように毎日「好きだ」「愛してる」等の言葉を吐いていたら、アルもお前の言葉を信用しかねるのも当然だ」
「成程…!!」
「……」
「だからお前は…そうだな、一週間。最低一週間でもアルと少し距離を離すべきだ。そして、少しでもアル自身からお前に対する行為を見出せたその瞬間に、真剣にアルへ愛を語るべきだと思う」
「そ、そうか…!よし、分かった!!キラー屋、助言感謝する!それじゃあ俺はこれからアルにどんな愛を語るべきかを今からレポート用紙百枚に書き連ねてくる!!」
「あぁ、頑張れ」
「……」
「どうした?キッド」
「お前…本当に口が上手いよな」
「そうか?」
「明日家来いよ。アルが喜ぶから」
「あぁ、行かせてもらおう」


口車には乗せられろ
(? 今何だかキラーさんの気配が…)

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