「アルー!ヘラクレスさん探しに行こうぜー!」
『え、やだ』
「えええええ!?」
『むしろ私がえええええだよ。何で私に虫取り誘うの』
「だって……暇そうだったから」
『ルフィには私の手元にある宿題というものが見えないのかな』
「宿題って出す日の直前にやればいいもんだろ?」
『それでいつも間に合ってないよね、ルフィ。説得力がゼロなんだけど』
「大丈夫だって!」
『何が大丈夫なんだか…』
「じゃ、一緒にヘラクレスさん探しに行こう!」
『行かない!』
「何で!」
『私が虫嫌いなの知ってるでしょ!?やだよ!』
「知らん!行こう!」
『今言ったでしょ!私虫嫌いなの!』
「何でだよ!」
『それこそ今言ったよね!?』
「おー、今日も元気で楽しそうだなぁお前等」
「あ、シャンクス!」
『シャンクス先生……これが元気で楽しそうな会話に見えるんですか?』
「少なくともアルが大きな声を出してるのは元気な証拠だと思ったが」
『だってルフィが私が虫嫌いだと知っていて虫取りに誘うんですよ!拷問以外の何物でもないでしょう!大声だって出ますよ!』
「(おぉ、アルが怒鳴ってる。珍しいな)」
「いいじゃねーかよー。行こうぜー、ヘラクレスさん探し」
『嫌だってば!』
「ルフィ、そろそろ止めてやれ。アルが涙目になってるから」
「誰だ俺のアルを泣かせた奴はああああ!貴様か赤髪屋!!死をもって償え!!」
「突然現れて突然濡れ衣を着せてきた!!」
『ロー兄…ッ!』
「よしよし、怖かったなアル。もう大丈夫だぞ」
『仕事はどうしたの?』
「えっ」
『こんな時間(12時)に来たってことは病院から抜け出してきたってことだよね?私仕事中に学校に来ないでって何回も言ってるよね?むしろ耳にタコどころかイカまでできるくらい言ったよね?何で来てるの?ペンギンさんやシャチさんに迷惑がかかるから止めてって言ってるよね?』
「……す、すみませんでした…」
『すみませんで済むと思ってるの?それだったら警察なんていらないし労働基準法なんてのもいらないんだよ?そもそもロー兄は私に対して過剰なまでに過保護だけどそれって正直鬱陶しいんだよね。私だってもう高校生だよ?良い事と悪い事の区別くらいできてるし、ロー兄が言う程周りにいる人だって悪い人ばっかりじゃないんだからね?変に疑心暗鬼になりそうになる事を無駄に言ってくるの止めてよね。あとシャンクス先生に濡れ衣を着せたのもちゃんと謝ってよ』
「ごめんなさい……」
「アル!アル!もういいから!お前の兄貴が見た事がないくらい落ち込んでるから!!」
「隈男でも落ち込んだりするんだなー!あっはっは!」
「笑ってる場合か!」


虫の居所が悪いんです
(そんな時に話しかけないで!)

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