『…キッド兄、もう洗い物終わっちゃったよね?』
「あ?おう、さっき終わったぞ。どうした?」
『水筒出しとくの忘れてて…』
「あー…まぁ、後で洗っといてやるから置いとけ」
『いいの?』
「あぁ、どうせボニーが夜食食うから洗い物出るだろうしな」
『確かに…さっきラーメンとちゃんぽんとカルボナーラの用意してたし』
「夜中に麺類オンリーかよ…」
『夜中だからじゃない?あ、水筒置いとくね』
「待てアル。その水筒は俺が洗おう」
「おい、お前さっき風呂入ったばっかじゃなかったか!?あれから3分も経ってねぇぞ!?」
『ロー兄、いい加減烏の行水はやめた方がいいと思うよ…』
「ちゃんと洗ってんのかよ、きったねーな」
「口の端からメンマと蒲鉾が出てるお前に言われたくねぇよ」
『お姉ちゃん、ほっぺにもカルボナーラのソースが付いてるよ』
「あ、本当だ。…んで?ちゃんと洗ってんのか?」
「当然だ。見ろ、この天使の輪を」
「女のあたしよりも綺麗な天使の輪が出来てやがる…」
『同じシャンプーを使ってるはずなのに不思議だよね』
「これでも適当に洗ってるんだがな」
「そりゃ3分しか風呂に入ってねーんだからな…」
「気合を入れたら5分もかかるぞ」
「「たった5分!?」」
『脱衣と着衣を合わせてそれって…』
「問題ない。オペの際にちゃんと殺菌消毒を欠かさずやっているからな」
「当たり前だ!手術受けたのに変な菌が入って病状悪化とか笑えねぇだろ!」
「苦情がくるどころか病院潰れるぞ」
「おい、ボニー。お前の夜食が全て伸びきってるがいいのか?」
「げ、マジかよ!もっと早く教えろよホーキンス!」
「…俺のせいか?」
『違うと思うよ、お兄ちゃん。…あ、もう自分で水筒洗っとくね』
「待て、俺がやっておくからいいって言ってんだろ」
「何でそんなにアルの水筒を洗いたがってんだよ」
「お前…知らないのか?」
「は?」
「水筒に入れた水と洗剤がスポンジによって白く泡立って中から掻き出されるその様がとてつもなくエロいことを」
『「………」』
「しかもその水筒はアルが使った物なんだぞ?まず洗う前に口を付けたであろう箇所を舐めつくしてそして僅かに残っているアルの飲み残しも全て飲み干した後に水と洗剤入れて…」
『…これからは自分で水筒を洗うね、キッド兄』
「あぁ…そうしとけ、アル」


油断も隙もあったもんじゃない
(お弁当箱も自分で洗おうかな)

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