『あいたっ』
「アル、大丈夫か?」
『ちょっと紙で切っただけだから大丈夫』
「血出てんぞ!保健室行ってこいよ」
『ルフィ、お願いだから黙って。大丈夫だから』
「俺のアルが怪我したというのは本当か!?」
『……ロー兄、一階の保健室にいたんじゃなかったの?ここ、三階の私達の教室なんだけど』
「(地獄耳で済まされるレベルじゃねェな…)」
「あぁっ!俺のアルの白い雪のような手から血が!俺のアルの血が!」
『俺のって何回も言ってるけど、私ロー兄のじゃないからね』
「大丈夫だアル、俺がじっくりと消毒してやるからな」
『そう言って何で私の手をロー兄の口元へ近付けるのかな?』
「傷の消毒は唾液が一番だ」
『じゃあルフィが舐めて』
「おう!」
「待て貴様俺のアルに手を出す気か!アルの血が俺の中でも巡ってるんだはあはあとか思ってるんじゃないだろうな!」
『それロー兄だよね』
「(実の兄貴が考えることじゃねェよ…)」
「アルー、痛くないか?」
『大丈夫だってさっきから言ってるじゃん』
「あ、俺絆創膏持ってるんだった。ほら、やるよ」
『ありがとウソップ』
「そうやってさり気なくアルの好感度を上げる気だな貴様!」
『早く保健室戻ってよロー兄』
「あの、授業中なんですけど…」
「黙れ俺とアルとの時間を邪魔する奴は誰であろうと消すぞ!」
「「「「(ええええええぇ…)」」」」
『(もう早退しようかな…)』


滲む血と涙
(あぁ、早く帰ってみーちゃんに癒されたい)

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