「お、この写真懐かしいな」
「こっちの写真も懐かしいぞ。母さんが写ってる」
『何やってるの?キッド兄とお父さん』
「押入れを整理してたらアルバムが出てきてな」
「俺等が小学生になる前のもあるぞ、アル」
『え、見たい見たい。それ見せて』
「ほら、これとか」
『わあ、盛大な世界地図が出来てる。これロー兄?』
「だな。この隅っこでいじけてるのがローだろ」
「人生初のおねしょが相当恥ずかしかったんだろうな」
「確かその後押し入れに閉じこもって2時間くらい出てこなかったな」
『ロー兄にも可愛い時代があったんだね』
「今の俺は可愛くないとでもいうのか、アル」
『少なくとも気配を消して私の後ろからいきなり現れた挙句抱き締めてきても可愛いとは思えないよね』
「俺の愛情表現だ」
「…昔はまだ可愛かったのになぁ」
「何であんな成長してんのか俺には見当もつかねぇな」
「揃いも揃って酷い言い様だな、お前ら」
『あれ?こっちの写真ってキッド兄じゃない?』
「あ?……って何でこの写真が残ってんだよ!!」
「懐かしいな。キッドが初めての兄弟喧嘩をしてローに負けた時のか」
「ぷっ、大号泣じゃねぇかキッド」
『でもこれって最後にお父さんが拳骨して強制終了したんじゃなかったっけ』
「違うな。俺がキッドに止めをさして終わったんだ」
「いや、二人共でっけェタンコブあんだろうが」
「面白そうな事やってんじゃねーか、お前等」
『あ、お姉ちゃん。帰ってきたの?』
「あぁ、今日はもう大学が終わったんだ。この写真懐かしいなー」
「その写真って…ボニーが初めて大食い大会に優勝した時のか」
「美味かったなー、あの店のピザ」
『この写真に写ってる店長さん涙目だね』
「優勝した挙句更に食っていったからな、こいつ」
「結局全部タダにしてもらったよな」
「また大食い大会しねーかなぁ、あの店…」
『お姉ちゃんが優勝してからあの店でもう大食い大会は開かれることはなくなったよね…』
「おっ、この写真白黒だ……ってこれ親父じゃね?」
「…は!?」
「隣にいるのってお袋か?」
『わ、二人共若いね』
「制服ってことは同じ学校だったのか」
「み、見るんじゃない!」
「こっちの写真なんて手繋いでるぞ」
『初々しいね。白黒なのに顔真っ赤だって分かるくらい照れてる』
「なぁ、他に写真はねーのか?」

「止めろおおおお!!!!」

好奇心と羞恥心
(((照れ隠しに拳骨は酷いだろ!!)))

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