Dグレの世界に行ってみる3

またいつものように、目線よりも高い荷物を積み上げて、さかさか歩いているとリナリーと白髪の男の子。
はて、どっかで見たことあるような。

「あ、バグった人」
「……」
「レイ……」
「あ、やほー。リナリー」

リナリーが、呆れた視線を送っているのが分かったが、ちょうど持っている資料で見えない。

「アレン君。彼女はエヴァンスレイよ。科学班のメンバー。おもにイノセンスの研究を担当してるの。レイ、彼はアレン・ウォーカーよ」
「よろしく、アレン」
「あ、よろしくお願いします」

そういって、右手に紙の束の重心をずらして、左手を差し出すと右手を差し出すアレン。

「いやいや、左手出してよ」
「えっと……」
「さっき神田に払われたのよ」
「ああ、いつもの」
「そう、いつもの」
「ふ〜ん。でも神田はいつものことだよ。気にしなくていいよ、アレン。それよりも、はーやーくー!右手が死ぬ!」
「あ、はい!」

ぎゅっと握ると温かい手。

「なんだ、普通じゃん」
「はい?」
「じゃ、あたし行くね〜」
「はいはい。じゃあ、アレン君行こう」
「あ、はい」

白衣を靡かせながら、去っていくレイの後ろから視線を戻すとリナリーのほうに駆けよりついていく。

(この手を普通なんて、初めて言われた)






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