※雪男に転生+性転換




こんにちは、奥村雪男に転生してしまった奥村雪子です。なんて安易なネーミングセンス。双子の弟が燐って聞いたときはまっさかーそんなバナナ。ははんと鼻で笑ってたんだけど、視界にちらちら黒いものがうつってきたりだとか襲われたりだとかしたらもう受け入れるしかないなっていうことに至ってしまった。

「まったく、兄さんはどうしてこんなに怪我をしてくるんだ」
「うっせーな! 勝ったんだからいいじゃねーか! だいたい、あっちが突っかかってくるんだから仕方がねーだろ!」
「だからそこでやり返すからこうなるんだってば…」

ため息交じりにそういえばぐうう、と唸ったまま兄は大人しく包帯を巻かれた。まあ、別に燐に怪我がしてほしくてやり返すなと言ってるんじゃなくてそもそも喧嘩の発端をつくってほしくないから苦言を言ってるのに兄にとっては煩わしいことこの上ないのだろう。
…まあ、正義感が強いからいじめられてる人を見たら助けてしまうということもあるけれど。
お人よしバカってこういうのを言うんだろう。
自分の周りにはお人よしが多すぎる。

「はい、おしまい」
「おおー! やっぱお前向いてるよ!」

最後に確かめるようにしてみた後に完了を知らせると、兄は手をぐっぱーぐっぱーと確認しながら満足げにした。

「そうかな?」
「うんうん、さっすが俺のいもーとだな!」

照れたように笑えば、兄は嬉しそうに笑った。


…ここまで!



maetsugi

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テーマ「人外ファンタジー」
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