Love Call! | ナノ

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「今日も暑いですねー足立さん」

「…暑いけどさ、君、警察署に何しに来てんの?」

「へ?あぁ、涼みにですけど」

「帰れ」


ちぇ。だってエアコンがぶっ壊れてて修理は明日なんだもの。月森このやろうはどうせバイトやらお友達とかとお出掛けとかデートしてるんだろ。菜々子ちゃんも今日はお友達と遊んでるって聞いたからアイツの家に逃避は出来ない。完二の所でも良かったけど絶対扇風機だと思うし。りせちゃんの家とか千枝とか、雪子は旅館だから流石に無理。花村くんはジュネスだし(今日は気分じゃない)、だから足立さんに会うついでに涼みに来た。書類の整理をして居るらしい足立さんの横顔は何と無く真面目で格好良く見えて、飽きないんだコレが。まあ彼からして見れば視線が鬱陶しくて集中出来ないんだろうなあ、ふふふ。堂島さんがそろそろ巡回行って来いって言ってたから着いて行くつもりは満々。因みに堂島さんは仕方無いから、アイス珈琲淹れて来れば暫く此処に居る許可をするって言ってくれたよ。足立さんとは違って優しいね!取り敢えずついでに足立さんにも珈琲入れてあげて(まあ、美味しいよって言ってくれた!)今は足立さんの隣の空席に座って寛いでいる。涼しくて静かで割と居心地が良い。
ふと思い出したんだけど、足立さんは左遷されて来たって聞いた。堂島さんは都会で働いても良い位なのになあ、とか思う訳ですが。まあ其処は難しい所なんだろうし、文句は無いんですけども。足立さんの左遷は正直、少し嬉しい。


「…じゃ、堂島さん。僕は巡回行って来ますんで」

「私はサボらないように着いて行きます」

「は、ちょっサボる訳無いでしょ」

「おう、頼む。邪魔はしないようにな」

「堂島さん!?」

「いえっさー!」

「何だ、暑い中一人でやるよりは気が楽だろ。ほら行って来い」


まあ、そんなこんなで結局着いて行ったんだけど。足立さんは何も喋らない私をさっきからずっと気味悪がっている。怪訝そうな視線をじーっと向けて来たかと思えば苦虫を噛み潰したような顔をして周りへ背ける。うーん、一体どうしたんだろうこの人は。彼からして見ればどうしたんだろうこいつは、いつもは煩い位に延々喋ってるのに、とでも思ってるんだろう。正直、話題が無いから黙って居るのだけど。


「君さ…」

「…何でしょう」

「黙ってれば可愛いのに、勿体無いね」

「……はあ。褒め言葉としては受け取りませんけど」

「僕なりの褒め言葉だよ」

「だって私は顔を見て欲しいんじゃなくて、私って言う人格を見て欲しいんですから」

「…何それ?」

「顔なんて二の次だって事です。私こんな変態ですから」

「自覚は有るんだ」

「…顔を好きになられても困るんです、本当の自分を隠したまま過ごすなんて辛いでしょう。だから、私は私の中身を好きになってくれる人としか付き合わない事にしたんです」

「ふーん」
(ああ、だからコイツはペルソナが生まれないのか)

「そんな訳です。…その点こんな私に付き合ってくれる月森とかは優しいですよ」

「そう?彼凄く嫌そうだけど」
(本音を隠さないから、シャドウにならないしテレビにも入れない)

「それでも嫌なら逃げ出す…と思ってますけど、私なら文句言いますし」

「んー。まあ確かに文句は言ってないか」
(マセガキには変わり無い、けどねえ)

「正面からぶつかって来てくれるので、私は凄く嬉しいですよ」

「僕は?」

「足立さん?…足立さんは文句言ってるじゃないですか、口だけですけど」

「うわ、僕の情けに何て事を」

「情けなんて掛けるだけ無駄ですよ」

「くそがき!」

「酷い!」


「―――ま、嫌いじゃないけどね」


「は、何か言いました?」


ぶおん、だなんて丁度良く被ったエンジン音死ね。生きてないけど死ね。足立さんの言葉が聞こえなかった、どうしてくれるんだ!何か凄く優しい顔で言ってたのに、依りによって!足立さんがこんな顔するなんて、少なくとも私の前では有り得ないと思ってたのに、こんな事も有るのかな。嬉しいけど、何て言うか意外過ぎて、驚きが大半を占めてる。何でも無い、なんて軽く掌を揺らした足立さんの表情は、尚も穏やかで。



心臓が大きく震えた
(これが大人の魅力ってやつなのか…!)





ちょっと距離が縮んだ、はず!
足立さんって黒くてもやっぱり優しいと思う。白い方が余程怖いですよ可愛いけど←






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