Love Call! | ナノ

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最近、足立さんに会わなくなった。

急に真面目に仕事を始めたみたいで、ジュネスで待って居ても張り込んで居ても見当たら無い。堂島さんに「最近、足立の様子が変なんだが…何か知らないか」、って訊かれたけど寧ろ私が教えて貰いたい。会っても居ない私が、何か分かる訳が無い。強いて言うならあの会話が原因なんじゃないかとは思うけど、いまいち良く分からなくて。どうしたんだろう。足立さんも…私も。幾ら考えたって居ない人間の考えてる事は分からない。幾ら考えたって、自分自身の事すら分からない。ぐるぐる、あの言葉だけが巡って。


「駄目だね、君じゃ」


「だって、君は……」



「…Googleさんに訊いたって分からないじゃん、足立さんのばか」


嘘吐き。そう思うけど、出て来る筈も無いのは分かりきっていた事で。それでも調べてしまったのは、答えが見付からなかったからだと思う。意味深な言葉。思春期真っ只中の女子高生に何て事を言うんだろう、あの人は。嫌がらせか何かなのかも知れない。ああ、そうか。煩い私を悩ませようって魂胆なんだ。そうじゃなきゃあの足立さんが私にあんな事、言う筈が無い。何だ、悩むだけ損だったんだ。よし、そうと決まれば外へ出て、何か楽しい事を探そう。


「今日は涼しいし、心無しか人が少ないような…」


ぐるっと町を一回り。一回りしたって少し日が落ちただけで、田舎の狭さを実感する。都会よりは断然、田舎が好きだけど。でも今だけは都会の広さが恋しい。あれだけ広ければ、歩いて居る内に大抵の事は忘れられるのに。
ぽたり。雫が空から降ってきて、一瞬涙かと思った。雨、だ。


「……傘持ってない…!」


はげる!それしか考えられない。やばいやばいやばい、一回りして足が止まらないまま今は商店街近く。何処かで雨宿りするしか無い。あぁけど、もう、これは夕立なんだ。急に落ちて来た雨粒は忽ち大粒になって痛い位の勢いで降り注いで来た。お陰で雨宿りする場所に着く前にびしょ濡れになった。あんまりだ、依りによって散歩をしようって時に。豪雨の所為で前が良く見えない。


「ぬぉおお…!」

「……先輩?」

「、ぉお…?」

「何や…っ、て…ちょ、びしょ濡れじゃ無いっスか!何してんだよこんな所で!」


渋くも番傘を差して居たのは、完二で。私を見るなり怒ったような顔になった。うーん、こんな顔の完二を見るのは新鮮かも。そう言ったら何言ってんスか、風邪引くだろ、って先輩に対する口調じゃない言葉で言われた。焦って居るのかも知れない。って言うか多分、動揺してるんだと思う。完二がこんな風に話すのは弁解する時とか張り合う時とか、平常時なら先ず有り得ない。もそもそ首に掛けていたタオルで私の頭やら顔やらを拭いて、傘に入れて。行動早い上に何だ、良心の塊か何かなのか。月森のくそやろうなら嘲笑うだけ嘲笑って傘に入れるフリをして意気揚々と帰って行く所を、完二は何て優しいんだ!可愛いやつめ、にやにやするよ。


「…よし。…取り敢えず家まで……先輩?」

「へ?…あ、うん…有難う」

「……何で、」

「うん?どうしたんだい、もしかして…はっ!す、透けてる!?きゃーっ!」

「え、いやちがっ…だ、だから!その…先輩、何で泣いてるんスか?」

「泣…?雨じゃないの」

「雨なんスか?目、潤んでますけど」

「雨が目に入ったんだよ。…ほらほら、早く家まで相傘、宜しくお願いします!」

「はあ?…あ、あぁ、…はい」

「よし、発進!あー、目ェ痛い…!」

「……」

「…何さ、その疑いの眼差しは」

「…別に。良いっスけどねー」

「文句なら受けて立つぜい完二くん」

「…いんや、またりせに女心云々言われるんでよしますよ」

「おや。また、何でそんな」

「先輩が一番分かってるでしょうが」

「おぉ、今日の完二は意地悪だね」

「…誰の所為スか」

「さあ、誰だろうね」

「……あんたって人は…」



真っ黒で雨粒を落とす空が
(私の心みたいに思えて)





ギャグはどこいった……!!←
次回はふっつうにギャグですよ酷いですね^^^^
完二が良いわるいこw






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