※足立が家庭教師やってます。 Go→
「ども。…今日から君の家庭教師を務める、足立です」
「……、よ、宜しくお願いします」
余りにも数学のテストが破滅的で成績がなかなか向上しない私に、母親が家庭教師を付けた。 で、どうやらそれはこの人らしくて。 しかし何で今「足立です」だけきりっとしてたんだろう。 思わず笑いそうになって必死に抑え込んだ私偉いよね? 表情はへらへら頼り無さそうなのに何でそこだけ…ああ駄目だ、思い出し笑いしそう。 頑張れ私。抑えるんだ。第一印象は大事じゃないか。
「えっと…数学だっけ。普段はどんな感じに勉強してる?」
「どんな…いや、取り敢えず予習と、分からない部分は友人に…」
「成る程ね。…復習、しないの?」
「え、あ…はあ、まあ…その」
「まあ復習って面倒だもん、なかなかしないよね。…取り敢えず、先ず君がどれだけ出来るのかちょっとしたテストをしようか」
何だか教師らしからぬ台詞が聞こえたけど、この位緩いなら気が楽だ。 んー、とかあれ、とか言いながらファイルを漁って、少しした位にホッチキスで止められたプリントを取り出した。 中2、中3、高1、とある。 高校2年のは無いのかと一人ごちに首を傾げれば足立先生は口元に薄らと笑みを滲ませた。
「だってほら、高1の問題が出来ないなら高2の問題が出来る訳無いし。基礎は大事だからさ、じゃあ…これね、僕が居ない間にやって」
「へ?」
「今日はほら、自己紹介とか…お互いの事色々知って。結局僕は知らない人間な訳だし、さ」
「はあ」
「だから、これは次の授業の時に提出してね。そうしたら僕が採点するから…あ、此処に答え付いてるけど…僕が持っておくよ」
びり、と数枚のプリントが引き抜かれる。 ほんわりとした笑みを浮かべるこの先生は、凄く癒やされる。 と、言うか言ったら怒られると思うから言わないけれど、可愛い。 ふふふー、と意味深に笑って答えをファイルに仕舞うと打って変わって他の紙を取り出した。
「…じゃ、そうだなあ…僕は事前に多少の事は聞いてるから。君、人見知りなんだっけ」
「は、はい…済みません」
「別に謝る事無いよ。…って事は僕の事怖かったりする?目、見るのは嫌でしょ」
「え、えと…ごめんなさい」
「こら、謝るの禁止。あんまり気分良くないよー?僕だって別に苛めたい訳じゃ無いんだし。…名前、は…なまえちゃん、だね」
ぽん、と軽く頭を小突かれる。 不思議な人だ。何だか少し安心する。 確かに人見知りは酷いけれど、この人なら幾らかマシな気さえする。 何と言うか、同じくらいの年の人と話しているみたいだから、なのかな。
「あ、そうだ。さっき苗字しか言わなかったけど、足立透って言います。足立先生でも何でも適当に呼んでね」
「い、えすさー…」
「あはは、僕はサーじゃないけど」
馬鹿にするでも無くまた緩く笑った先生は、ウニとキャベツと牛肉が好物な事とか血液型とか身長とか、意味が有るのか分からない事まで教えてくれた。 第一印象は、可愛くてほんわりしてて、優しい先生。それから、面白い。 そんな感じだった。勉強、頑張れる気がする。
そう言ったら、「うん、頑張ろうね」って頭を撫でてくれた。やっぱり変な人だ。
割とフィクションが入ってる← けど実体験パロみたいなのなんで…あ、私の成績とかについてはノーコメントでお願いします…/(^p^)\ 続きますよ!いえい!
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