※主人公がやなやつ! *シリアス Go→
花村の憧れの小西先輩が、亡くなった。 あの怪奇殺人の被害者になったとかで、明るさが売りの花村が酷く沈んでいる。 どうしたら良いかなんて分からないから取り敢えず適当に声を掛けて励まして、ああ言うのは自分で立ち直らないとだから放っておこう。
建て前、だ。
「花村」
「………」
「花村」
「………、」
「花村!」
「!…え、あぁ、悪い、何だ?」
「……泣いたってね、悲しんだってね、小西先輩は嬉しくもなんともないよ。帰って来る訳でも無い」
「……はは、サンキュ。大丈夫だからさ、何か気ィ遣わせて悪い」
「…良いよ、私これしか出来ないから。…じゃあね」
ばいばい、と軽く掌を揺らして別れを告げる。数日前の事だ。 私は花村が好きだった。今だって好きだ。 だから、何もせずに花村に好かれている小西先輩が、
憎くて堪らなかった。
あんな笑顔、私には向けてくれないのに。 あんな風に、わざわざ声を掛けてくる事だって無いのに。 小西先輩を見掛ければ私たちの事を置いてそっちに行ってしまう。 ずるい。小西先輩は好きじゃないのに、愛されてる。ずるい。ずるいずるいずるい。 私がこんなに好きな花村に、愛されてる。 何で私じゃないの。どうして。 醜い嫉妬しか出来ない自分も嫌い。 振り向いて貰えないって分かってるから、小西先輩が良い人だって事も知ってるのに、私は嫉妬しか出来ない。
こんな思いをするなら、いっそ。
「花村」
「どした?」
数日後、そう、昨日くらいだったと思う。 花村はまた前の明るさを取り戻した。 嬉しい反面、まだ小西先輩の事は好きみたいで、また憎くなった。 どうして?だってもう彼女は居ないじゃない。もう、良いじゃない。 私を見てよ!私は、此処に居る! あなたを置いて、どこかに行ったりなんかしないよ!ねえ、私を見て!
お願い、だから。 (醜い自分を、晒け出してしまう前に。)
「嫌い」
「え、」
「花村なんか大嫌い」
「…いきなり、何のジョークだよ?」
「ジョークなんかじゃ、ない。憎い。花村が憎くて、キライ。大嫌い」
「な…なに、いって」
「だから、さよなら」
苦しい恋心にさよならを告げた (でも本当にさよならしたのは、) (恋心じゃなくて大好きな人)
地味に続いたりして
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