haco | ナノ



トビ









*元リハビリ文

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「済みません何かご用でしょうか」
「えっ!?あ、うん!あるある、用あるよ!」
「無いんですね」
夜中、零時もとうに過ぎた頃。日中とは比較にならない程冷え切った空気に体が震える。折角布団の中で暖かくなったのに、冷気に晒されるなりどんどんと冷たくなっていく。ああ、早くして!突然の訪問者は出会いも再会も親しくなった理由もきっかけも何もかも忘れてしまった、S級犯罪者暁のメンバーであるらしい、トビさん。仮面の下ではさぞ腹の立つ顔でへらへら笑っているんだろう。ムカつく。私の問い掛けに酷く動揺した声を上げたあと、勢い良く首を縦に振って、頭に手をやった。有無を言わさぬように言い返せばトビさんは一瞬黙り込んで、それかパァッと効果音の付きそうな声色で、
「綾香ちゃんに会うのに理由って必要、ですかね?」
ときめきなんて、私の辞書には存在しませんでした。理由?必要ですよ。何でこんな時間か、だとか(どうせ任務でしょうけど)、何で私なのかとか、返り血は拭いてこいとか言いたい事も山程ある。そんな言葉で騙されたりなんかしないんだぞ、私は…!キッと睨むように見上げてやれば、仮面の奥の赤く鈍く光る目と、視線が絡んだ。息が詰まるような感覚を覚えて、咄嗟に視線を逸らす。え、もしかして怒らせた、とか…?
「あーホラホラ、そんな怖い顔しないで!ね?…今日は綾香ちゃんと一緒に居たい気分なんですよって!ハハハ!」
わしゃわしゃと乱暴に私の頭を撫で、勝手に上がり込むトビさん。掴みどころの無い人だ、前々から思っていたけれど。結局何なの聞かせてすら、貰えない。…って、ちょっと、待て待て待て!何勝手に上がってんだコラァアアアア!!




(あ、可愛いパンツですね)
(し ッにやがれェエエエ!!)










マダラじゃないトビがすきー






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