haco | ナノ













*元リハビリ文
Go→
















「あれっ」と、そう零れた俺の声の間抜けさと言ったら白銀が笑う程だったと思う。でも仕方無いじゃないと一人ごちに言い訳した後、忽然と消えた晩御飯をじっとみつめた。皿のみが残された俺の食卓はいずこ。綺麗さっぱり跡形も無く、正にそんな具合の様子の其れら。そう言えば俺のジャケット何処いったんだろう?ソファに掛けて置いた筈の其れも無い。暫く部屋をうろうろしてから、取り敢えずジャケットはともかく飯が消えるなんてのは胃袋くらいなモンだと犯人探し。ぐるっとシンプルに纏めらた部屋を回って、寝室のクローゼットを開けると天井近く、上に隔てられた棚から見覚えの有る服が下がっていた。もう、詰めが甘いと言うか寧ろわざとなのか何なのか。ぎゅっと引っ張ってやれば「ひょわっ!」と奇妙な悲鳴と共に少女が落ちて来た。「何してんの?」、「お腹すいたから」、「アレ一応オニーサンの晩御飯なんだけど、って言うかだったんだけど」、「ほほう、それはお気の毒に」。流石の俺でもイラっと来たんだけど、普通だよね。わしっと頭を掴むと即座に「済みません私が悪う御座いましただから握り潰さないないでぇえええ」と情けない声が上がった。正直な所頭を握り潰すような握力なんか無いから心配も謝罪もしなくて良いんだけどね。でもコレは、彼女の為。一先ず犯人が分かったところで、キッチンに戻る事にした。すると少女は俺を阻んで、「私が作る」の一点張り。あのね綾香ちゃん、俺の勘を舐めちゃいけないよ?気付いてるよ、俺に手料理食べさせたかっただけなんて。






prev | next





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -