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カズマ









※カズマの漢字をどわすれ
*元リハビリ文

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カタカタカタカタカタカタ、カタカタカタカタ、カタカタ…、延々と続いているのはキーボードを叩く音。ひっきりなしに、ただただ無機質に響く。パソコンの前にあぐらを掻くのはカズマ。私はと言えばやる事も無いので傍でごろごろと転がるのみ。何せキング・カズマは挑戦者の相手に忙しい。挑戦者なんて言ってもカズマにして見れば雑魚も良いところで、些か退屈そうな横顔が長く垂れた前髪から覗いている。カタカタカタカタ、カタ、漸く終わりを迎えたらしいキーボード音は突然切れた。続いて溜め息が零れ、カズマが横たわるのが分かった。
「おつかれさまー」
「別に」
素っ気ない一言が寄越されて少しだけ寂しい気持ちになる。カズマが小学校の卒業式で私に告白してきた日、私はどれ程幸福だったかカズマは知っているんだろうか。勿論今も幸せだけど、こうしてOZを初めてからは二人きりで何かをする時間は確実に減った。私もOZをやっている身、文句は言えないけれどやっぱり寂しい。偶には構って欲しいと、カズマが好きなんだからそのらい思うんだって分かって欲しい。折角遊びに来たのにずっとパソコンに向かいっぱなしだなんて、帰った方がまだ楽しい。悔しくてそれだけ言ってから、目を瞑った。OZの中でキング・カズマが好きなアバターと結婚しちゃえば良いんだ、カズマなんて、知らない。小さく呟いた声は、流石に静まり返った部屋では良く聞こえて、失言だったと口を噤んだ。ちょっとしてから小さな笑い声が聞こえて、何さ、と訊けばカズマは可笑しそうに笑った。
「じゃあキング・カズマは綾香のアバターと結婚させよう」、どうしてだから好きなんだってば。






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