haco | ナノ



loved one









*鬼道→←綾香さん
*若干いかがわしい
*少しシリアス

Go→














「鬼道さーん?」

「な、!待てッ」

「――――しッつれいしま△◎※∀?!」






「…本当に済みませんでした」


今現在、合宿の夜。
私は鬼道さんの部屋でお説教を受けてます。腕を組んだ鬼道さんは仁王立ちの如く威圧感を醸し出して私の前に立っている。ううう、ちょうこわい…!何でこんな事になったかと言うと、其れはつい10分前に遡る。返事を待たずに勢い良く開けた鬼道さんの部屋の扉、その先には着替えの最中だったのか何なのか、上半身に何も纏っていない鬼道さんが居たのだ。勿論、非は制止を聞かずに足を踏み入れた私に有る訳で。鬼道さんの引き締まった程良く筋肉の付いた上半身、色は其処まで黒くも無くて健康的な肌色、直視した私は一気に顔が熱くなったのを覚えている。そんな私を見た彼は呆れたように溜め息を吐いて其れから服を纏って(マントは羽織って無い、珍しい)(ゴーグルは、やっぱり付けてる)私に正座をさせた。


「此れが不動とかだったらどうするつもりだ?」

「え、えっとー…」

「お前はもっと危機感を持つべきだ、今回は俺だったから良かったが…」

「う…済みません。あ、けど!私は平気――…」


顔を上げて明るい声音でそう次いだ、瞬間。鬼道さんの手が私の胸倉を掴んで、「ふざけるな」と、そう一言。こんなに怒っている鬼道さんを、私は見たことが無い。帝国学園に居た頃ですら、全く。ゴーグルの向こうの紅い双眸が私を貫く。どうしようも無く、怖い。怖い、よ、鬼道さん。何でそんなに怒ってるの、ねえ、どうして、?じわりと目尻に涙が滲む。いやだ、いやだ、やめてどうして、何をそんなに怒ってるの?だってさっきまではそんな事無かったじゃない、私がいけないなら、謝るから。こうやってどうにかなると思っている自分が大嫌い、だけど、鬼道さんには嫌われたくないよ。


「や、だ…」


震えた声がそう紡いだ途端にするりと胸倉を掴み上げていた手が力を失った。その代わりに私の背後に腕が回って、少しだけ冷たい体温に包まれた。すまない、と小さな呟きが鼓膜を震わせる。どうして鬼道さんが謝るの?分からないよ、何も。だって悪いのは私なんでしょう?なのに、何で。ぐっ、と背中に回った腕に力が篭る。状況が、イマイチ掴めない。どうして今、私は鬼道さんに抱き締められているの?何で、どうして、何が、疑問は尽きずに次から次へと溢れてくる。「鬼、道さん」。そう呼び掛けると、鬼道さんは徐にゴーグルを外した。さっきはゴーグル越しだった紅い眸が、露わになる。


「済まない…怖がらせたな」

「……だい、じょうぶです…私こそ、その…」

「…お前は悪く無いさ。俺は少し…押し付け過ぎたな」


申し訳無さそうに目線を落とす鬼道さん。違うの、そんな顔させたい訳じゃない。お願い、大丈夫だから。謝りたいけれど何を怒っていたのかが分からないから、謝ることが出来ない。訳も分からずに謝るなんて事、私はしたくなんてない。首を振って見せれば、鬼道さんは困ったように眉を顰めて、薄らと笑んだ。――きれいなかお。お前は優しいな、なんて言うけれど、鬼道さんはもっと優しい。それこそ、私なんか比べ物にならない程に。何てきれいなひとなんだろう。それでいて、優しすぎる。気付いたんだ、漸く。鬼道さんは心配してくれていたんだって。不動くんはきっと、何かは分からないけれどしてくるから。だけど私は其れを蔑ろにした。だから鬼道さんは怒ったんだ。


「良いんです…ごめんなさい、気を付けるから」

「ああ…有難う」


ふ、と鬼道さんが笑う。それだけで心が温かくなる。鬼道さんが笑っていると、凄く嬉しくなる。鬼道さんは滅多に笑わないから、尚更。深い紅の双眸、じっと見ていると吸い込まれてしまいそうで、どんな乙女思考なんだろうと思わず頭を振った。変な事考えた、鬼道さん相手に。私なんかじゃ吊り合わないなあ、きれいな眸を見たら余計そう思った。きっと彼を怒らせない優しくて気配りが出来るもっと大人びた人が、彼には似合う。私なんて子供みたいだし(心も体も)、とてもじゃないけれど迷惑や心配を掛ける事くらいしか出来ない。鬼道さんはこうして気遣ってくれるけれど、きっとそれは、妹に接する事と同じようなもので。


「…だがな」

「はい、?」

「…次は俺もお前の為に踏み止まれる自信が無い。」

「どう言う…事ですか?」

「――こう言う事だ」


首を傾げて、数秒。ぐるりと視界が反転して、気付けば目の前には鬼道さんと、真っ白な天井が広がって居た。なに、これは?また怒らせた?けど、鬼道さんは楽しげに笑っていて、何が何だか分からず一人で困惑する。鬼道さんはそっと顔を寄せて、私の額と額を合わせた。息がかかってしまうくらいの、距離。無意識に顔に熱が集まるのを感じて、どうしようも無く恥ずかしい。それが相乗効果になって、更に熱くなる。鬼道さんの紅い眸に射抜かれて、視線が逸らせない。



「だから、気を付けろよ?不動だけじゃあない、俺にも、だ…」






loved one
(ショート寸前、私には飲み込めない砂糖)










私はどうやらry
最初はギャグだった筈なのに何故か段々あまーくいかがわしくなっていくと言う怪奇現象、何で。何で。(…)そして鬼道のキャラが凄く違う誰此れちょうだれ…。要努力と言うやつなんだろうか。と言うかゴーグル外させたかっただけww






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