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特等席









*甘い

コレの続き
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ソファに座って書類を眺めるラムダさん。
この間は情報がどうので入れる訳にはいかないー…とか言っていたけれど、試しにラムダさんが私を紹介してみたら快く中に入れてくれた。
一瞬、ロケット団も良いかもしれないと思ったのは秘密だ。

「ラムダさーん…」

「んー?」

むかつく。
仕方無いのは分かってる、だって今は仕事中だから。彼は割と真面目だからこう言うのはちゃんとやる人なんだ。
先程から声は掛けて見るものの、返ってくるのは生返事のみ。

「……ラムダさん、隣座って良いですか?」

「んー」

顔を上げる事も無く了承の生返事。
幾ら仕方無いと分かっていても、少し寂しい。小さく溜め息を溢しながら隣へ座った。
仄に煙草の匂いが鼻を掠めて、この人は確かにラムダさんなのだと知らされる。
相変わらず書類に目を向けたままの彼…けれど、何だかその姿が格好良く見えて。
ラムダさんの肩に頭を乗せて、じっとその姿を眺めた。

会話も無く、ただ静かな部屋に紙の擦れる音がする。徐々に眠気が差して来て、薄ら瞼を伏せる。でも寝てしまったら、ラムダさんとの時間が減ってしまう。
我ながら、甘えたな考えだと自嘲する。
けれど、今は寝たくない。意地でも起きて仕事の終わったラムダさんにお疲れ様と言ってあげたい。
どの位眠気と葛藤していただろうか、ラムダさんが書類から目を離した。

「……ん、終わったんですか…?」

「やっとな。…寝てても良かったのに、起きてたのかよ?」

肩から頭を上げる。
未だ睡魔は退く事を知らない。

「…だって……寝たらラムダさんと一緒に居る意味無いじゃないですか…」


あ、それとお疲れ様。
これを言わなければ意味は更に無い。
ラムダさんの瞳が一瞬見張られ、次いで可笑しそうに細められた。

「ばーか、可愛い事言ってんじゃねぇよ…大体此処の中入れんだからずっと一緒だろ」

此処、と床を指差す。
私の頭をくしゃりと撫ぜ、書類を手に立ち上がる。私も、慌てて立ち上がった。

「…一緒に居て良いん、ですか?」

「当たり前だろ、ほら…着いて来るか?」

自信満々に笑うラムダさん。
その姿は紛れも無く、私の好きなラムダさんの姿だった。どきりと心臓が跳ねる。

「書類ですか?」

「そう書類。あの鬼畜上司に届けに行くんだよ…」

はあ、と盛大に溜め息を吐く。
あの緑髪の、ランス、さんだろうか。
ともかく、ラムダさんの手を握り着いて行く意志を示した。

「行きます」

「おう」





(どんな時だってあなたの隣は私の、)






最初の下り何だったんだろう






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