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貴方が奪えばいいのに









*甘…?
Go→
















「なぁステラ、ロケット団に来る気無ェ?」

「ありません」

「即答かよ!少しは悩めって」

隣に座って煙草を吸うラムダさん。
突然突拍子も無い事を言い出すものだから凄く驚いた。
しかもそれがスカウトだなんて、余計驚いた。

「…だってロケット団はポケモンに酷い事するでしょう。幾ら仕事だからって、そんなの許せない」

「…お前らしいな」

諦めた風に溜め息を吐く。
どうせこう返ってくる事なんて分かっていた癖に。
どうしてそんな事を聞くのだろうか。
考えても無駄な事かもしれないけれど、とても重要に思えた。
だって、可能性が無いのに態々聞くひとなんてそうそう居ない。

「何でですか」

「あ?」

「どうしてそんな事聞くんですか」

「そりゃ…」

ふぅ、と白い煙が空気に溶ける。
そんなに吸ってるとガンになりますよ。
言おうと思ったけど雰囲気を壊したくないから止めた。
一度言葉を区切ったラムダさんは、何だか躊躇しているようにも見えて少し不安になる。
多分この人の事だから心は余裕たっぷりなのだろうけれど。

「お前と一緒に居る為だろ。お前がロケット団に来ればずっと一緒なのになァ…ほら、関係無ェ奴入れると情報がどうのって問題になるし…オレだけがお前を信用しててもな」

余裕だとは知っていたけれど、まさかこんな事を言われるだなんて。
嬉しいと思ったけれど、やっぱりその件は頷けない。
私だって一緒に居たい。
あなたがロケット団を止めればいい、なんて我が儘?

「…でも、自分はロケット団を止めないんですね」

「んー…そうだなァ」

理由は、怖くて聞けない。
だから、言及はしなかった。
ラムダさんは気付いていないかもしれないけれど、私は不安で仕方無い。
それ程私は大事じゃないのかもしれない。
そう思うだけで…泣きそうになる位。
私の知らないあなたが居る。
だけど私はあなたと一緒に居たいと思うんです。

あなたが強引に連れ出すなら、私は着いて行くのに。


「ばか」

「あん?」

「ばかです、ラムダさんは」




(私はこんなにあなたが好きなのに)






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