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どうしようも無いから









*短い
*甘?
Go→














「ラムダ…ラムダ、さん」


「よおステラ、どうした?」


私達は所謂、敵同士だ。
ロケット団と、私はただのポケモントレーナーだけれども。
取り敢えず、私はポケモンを奪われたりと何度も悪事を働かれていた。
なので、これはもう何度目になるか分からない殴り込み。
今日は変装をしていない後ろ姿を見つけた。


「どうした?面白い事言いますね、髪の毛引き千切りますよ」


「っちょタンマ、タンマ!冗談だっつうの。」


両手を顔の前に出して揺らす。
馬鹿なひとだ。
面白くてどうにも憎めないけれど。
私は生憎髪の毛を引き千切る趣味はない。


「なら早く返して。私のポケモン」


ずい、と手を差し出す。
こんな事であっさり返して貰える訳は無いけど、取り敢えずは取り引き。
ラムダさんの口元に笑みが浮かぶ。


不覚にも、どきりと心臓が高鳴った。


「…んー。まぁ返してやらねぇ事もねぇけど、ほれちょいこっち来い」


くいくい、と手招きされる。
私は一度躊躇したけれど、大事なポケモンの為、彼に歩み寄った。
満足げに頷くのが視界に入る。
彼の目の前まで来た私は(あれ、意外に背が高い)じっと私を見たままのラムダさんを呼びかけた。


「あの、」


「あのなステラ、大人は汚いモンなんだよ」


「知ってる、特にラムダさんは」


「酷ッ…余計な事言うな。
…だから何を使おうと利用しようと手に入らねぇモンは入れる」


「本当に汚いね」


ラムダさんが傷付いた顔をする。
何さ、自分で汚いって言った癖に。
眉を顰めていると、ラムダさんが少しだけ屈んだ。
何をするのか、何をしたいのか全く以て不可解。


「ステラ」


「はい、っ?」


急に名前を呼ばれたから咄嗟に振り向くと、唇に柔らかいものが当たった。
思わず大きく目を見張る。
キス、してる?

ラムダさん、と?


嘘。嘘でしょう、
あぁ少し落ち着いて私の心臓。


「だから、お前のポケモンは利用させて貰ってる」





(どうしようも無いから。な?)




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