*ギャグ *甘?
Go→
「よし、これでやっと…」
ぴこんぴこん。 テレビからは軽快な音楽と効果音が次々に発せられている。 何度もゲームオーバーを繰り返したボスを漸く倒し、念願のエンディング。 感動的な音楽が流れ出した…と、一瞬にして周囲が真っ黒に染まった。 テレビも暗闇を映すばかり。 停電、と脳裏に二文字が思い浮かんだ。
「有り得ない、何このお約束…」
どれだけ苦労したと思っているんだ。 怒鳴りつけたい気持ちが徐々に増す。 犯人は、分かっている。 と言うより寧ろ、他に居る訳が無い。
シンオウ最強のナギサジムリーダー、デンジ。
あいつだ。
「今晩和ご機嫌麗しゅう、因みに私はとても怒っています、今直ぐあなたを感電死させたい位に」
私はそれから、うっかり明かりを忘れ真っ暗闇を手探りで歩いて来て居た。 やっとジムの奥へ着いた頃には体のあちら此方が痛むばかり。 先ず普段は自動の入り口の扉にぶつかり、スイッチを踏んでも動かない仕掛けから足を踏み外し、足元に転がる機材を蹴飛ばしては壁に激突なんかもした。これは、慰謝料を払って貰うべきだと考える。
「……あぁ、ステラか」
「えぇそうですとも。貴方は勿論何故私此処へ来たか分かっておられますよね?」
「…オレに会いに?」
「今直ぐ感電死しろ」
「え、違うの?」
「エーフィ、サイコキ」
「すんませんでした」
暗闇を利用して出しても居ないポケモンを呼ぶ。慌てた様子こそ無いものの、僅かに早口でデンジが口にした。 まさか素で言っているとは思わず、かなり驚いたがどうせこの男の事だ、口が軽いのは今に始まった事では無い。
「大体何回目だと思ってる訳?」
「さぁ…」
「私が此処に来るようになってから少なくとも5回以上やってるだろ!」
「そうだった…っけ」
「くそ、こっちは迷惑してるってのに…!お陰でゲーム消えたんですけど!」
「ドンマイ」
「ブッ飛ばすぞ」
「すんませんでした」
つくづく調子の良い奴だと、心底思う。 ゲームは、後でやって貰う事にする。 それにしても、どうしてこうも毎回停電させられるのかが良く分からない。ちゃんと配線やらを確認しながらやれば大丈夫な筈にも関わらず、もうワザとなのでは無いかと思う程見事に間違えるのだから。
「何で停電させるかなぁ…ナギサの人たちも大変だよ」
「…まぁそうなんだけどな」
「あれ、それは分かってたんだ。…じゃあ何でもっと気を付けないの?」
「だってオレ停電させたいし」
「犯罪者にでもなるつもり?」
「いや?こうでもしないとステラ構ってくれないじゃん」
「…子供、か!」
衝撃発言 (ああ誰か夢だと言って)
無理矢理過ぎる上に、既存な気がしてならない
|