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幸せな死骸









*病魔主 名前変換無し
*シリアス
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声が、聞こえる。
私の大好きな―――ハデスせんせい。






「先生、こっちです!」


長髪の女の子が、私の大好きなせんせいを連れて来る。
私の乗っ取った女の子の周囲には沢山の男の子が集まっていて、其れをせんせいが一生懸命掻き分けて私に近付いて来ていた。
私の能力はせんせいと、女の子には効かない。
だからせんせいの表情は周りに居る男の子たちと違って険しい顔をしてる。
みんな幸せそうに私を好きだよって言ってくれるのに、先生だけは言ってくれない。
ねえ、どうして?私が病魔だから?
藤くんも明日葉くんも、美作くんも安田くんも本好くんも妹尾くんも鏑木くんも、せんせいと仲の良いひとたち皆夢中になってくれるのに。
何でせんせいだけ。何で、何で…こんなに、あなたの事が好きなのに。


「先生、あれは…」

「多分、誘惑[ハーレム]だね。空間影響型に近いけど…」


そう言葉を交わして、二人は私に着々と近付いて来る。
私を守ろうと二人の行く手を阻む皆を傷付けないように振り払って、鏑木さんがそうして開いた道をせんせいが歩いて。
こっちに来るせんせい。
嬉しいけどそれは私を愛する為でも無くて抱き締める為でも無くて、私を喰らう為で。
悲しくて堪らないけど、不毛な恋を続けるのも疲れた。
昔から男子に人気の有った女の子。それは勿論私の力。
でもこの学校に入って…せんせいだけは、私を見てくれなかった。
愛してくれなかった。愛して、欲しかったのに。
藤くんたちも、今まではただの友達だった。
こんなに夢中で盲目だった訳じゃない。
追い掛ける事に疲れたから、力を使った。そうしたら、せんせいに見付かって。
せんせいは病魔を喰らう力を持ってるから――私を愛してくれなかったんだよね。

病魔のくせに、って笑われるかも知れない。
天敵のせんせいに恋だなんて、私が笑っちゃう。
でも本当に、本当に好きだった。
だけど、本当に好きな人だけが私を見てくれなかったんだよ。
せんせい。
あなたは今…大事な生徒たちを危ぶめる私を、殺そうとしてる。
私は世の中にとって良くない存在だから。
せんせいは今、その為に罹人になって頑張ってるから。

だからね、せんせい。
私、せんせいに殺されるなら、それでも良いよ。
だってそうすれば、




「咀嚼、――完了」





幸せな死骸
(ずっと一緒に居られる気がして。)
(せんせい、さよなら、だいすき)













病魔にもいろんなのが居るからこんなのも有りか…?
と言う妄想の産物。ハデス先生の一個目が特殊な上シリアスって…!
しかも超みじかっ^p^






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