「なまえ、母さんと父さん、アメリカに行ってくるね」





ある日の朝、

ごく平凡な生活を送っていた私に突然両親が言った一言



それが私の人生を大きく変えることになるなんて‥

















ピンポーン





高級マンションの7階の一室のインターホンを鳴らす私。



何故そうなったかと言うと‥





――――――――――





「じゃ、なまえ。母さんと父さん行ってくるわね!」





じゃあね〜



なんて言って、朝早くから結構な荷物を持って、いきなり起こされて寝癖のついた髪でパジャマのままの私に玄関で見送らせて、両親揃ってアメリカに出掛けて行った。





「‥とりあえず、‥もう一眠りしよ」





寝起きで頭の思考が働かない私は、状況が理解出来ないまま、二度寝に入った。
















―――ピロリロ‥ピロリロ‥ピロリロ‥



「んー‥」





携帯が鳴って目を覚まし、時計を見ると夕方5時。



寝過ぎだろ私‥!





携帯を確認すると

メール1件

と表示されていた。





お母さんからだ。



―――――――――――――

 あ!言い忘れてたけど、
 今日の夕方5時には家に 
 不動産屋さんが来るから 
 それまでにちゃんと荷物 
 まとめておくこと!(^^) 

 家は売ってアメリカ資金 
 になりました(笑)    

―――――――――――――





笑えないよおおおおおお!!!!!



「何かのドッキリ!?どこかにカメラ隠されてて母さんと父さんが観てたりして楽しんでるの!?‥え、ちょっと、今もう夕方5時じゃ‥」



ピンポーン



「すみませーん、不動産屋のものですけど〜!」





ぎゃああああああああ!!!!!!
あああ‥
ああ‥
あぁ‥
ぁ‥





ピロリロ‥ピロリロ‥



―――――――――――――

 あ!今日から母さんの  
 友達のお家に住んでね。 

 家の場所は台所の机の上 
 に地図と一緒に書き置き 
 してるから夜6時には、 
 荷物まとめて引っ越す! 
 OK?(^ω^)♪ 

―――――――――――――





OKじゃなああああああい!!!!!










――――――――――





ということがあり、なんとか荷物をまとめ、お母さんの友達のお家の前に立っている私。





あぁあ‥
なんだか緊張するね、こういうの!

引っ越しも初めてだし、ましてや私の知らない人のお家で今日から生活って‥

期待よりも不安がおっきい。



てか、なんでいきなりこんな事に!
だいたいお母さんとお父さんがいきなりすぎるんだ!
なんでアメリカ!

しかも娘に出発当日に言うとかおかしいだろ!!
おい、今から戻ってきて説明しろよおおお!!!
おい、こらああああ「ッせェェ!!!あ゛?人ん家の前でうぜェ!!」



‥!!!





部屋から人が出てきた、

のにも驚くが、その開けたドアが思いっきり私の顔面にヒット!
ナイスヒット!!


じゃなああああああい!!!!!





「おい、てめェ。人ん家の前でベラベラベラベラうるせーんだよ。警察突き出すぞオイ」





あ゛?




なんて言っちゃってる、恐い、いや、すっごく恐い顔の男の人‥あれ、よく見たらちょっと格好良い‥て思ってる場合か私!!そんな人が私に向かって怒鳴ってる。


あなたの方が警察突き出されそう!!


なんて口がさけても股が割けても言えない。「ごごご、いや、すみませんんん!!!えと、ほんとすみません。いきなり引っ越してきて色々考えてたら口に出てたみたいで‥!」





すると男の人は怒鳴るのを止め、少し呆気にとられた顔をした。


なんか可愛い人だなーと思ってしまった。





「あ?引っ越してきたって‥あんたがもしかしてみょうじ?」



「え、はい。私はみょうじですけど‥え?え?‥もしかして、高杉さん?」



「あぁ。俺が高杉だ。‥あんたがみょうじ?うちに来るってのあんただったんだな」





いやいやいや!
この恐い人がお母さんの友達の高杉さん!?
たぶんこの人のお母さんと私のお母さんが友達なんだろうけど‥。

恐いよぉぉぉ‥!!!





「まァ、上がれ。荷物出せ」



「あ、ありがとうございます‥」



「おゥ」





なんてお家に上がらして貰った。

なんかシンプルにデザインされた部屋で、きれいだなぁと感じた。





「あんた名前は?」





部屋に見とれてたらいきなり話しかけられた


いやはや、びっくりした‥





「みょうじなまえです」



「ふ〜ん。じゃあなまえ。」





いきなり呼び捨て!!

なんか照れるなぁ‥





「話は聞いてる。俺ァ、高杉晋助。覚えとけよ」





命令文かっ!





「高杉く‥んで、いいですか‥?宜しくお願いします。」





「ん。じゃあ、適当に部屋配置確認しとけ。で、なまえの部屋はこの部屋。ちなみに隣は俺の部屋だから」



「ありがとうございます!あ、お母さんかお父さんは‥?」



「あ?俺の両親?」



「はい。挨拶しないと‥!」



「アメリカだぜ?」





「‥‥は!?」





「俺の両親が居るからなまえの両親も行ったんだろ?何言ってんだてめェ。変な奴」





え?いやいやいや、待って。
高杉くんの両親居ない?
アメリカ?





「‥‥もしかして、一人暮らし?」



「あァ。他にあるめーよ。俺兄弟いねーし」





え?じゃあこれから‥





「2人で暮らしてくの?」





まさかね。
そんなのある訳ないないない‥





「あたりめーだろ。俺とお前以外に誰もいねーだろ」





「う、嘘だああああああああああああああああああ!!!!!!」





(私はこれからあなたと2人暮らし)







back next

1

「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -