「よおおおし!てめーら、行くぞッ」



「「オォー!!!」」



「いや、行くってあんたら!ここの下のお登勢さんとこ行くだけなのに気合い入りすぎだろ!!」





そう!私たち万事屋は、先日めでたく万事屋の一員となった私の挨拶をしに、お登勢さん達のところに行くところなのだ。




「新八お前、なまえの団入挨拶しに行くアルヨ!!気合い入れずにどうするアルカ!!」



「そうだぞ〜新八、なまえの練乳挨拶しに行くのに気合い入れずにいつ気合い入れるってんだよ!」



「団入も練乳もどっちも違うだろ!!てか、団入はまだ分かるけど、練乳って何だ!!!練乳挨拶ってどんな挨拶だ!」



「挨拶には練乳持って行くのが当たり前だろ〜。あれ、新八くん知らないの〜?」



「知るわけないだろ!!あ〜ぁ、いいから行きますよ!ほら、なまえさんも神楽ちゃんも変なポーズしてないで!!」





神楽ちゃんとしぇーっ!みたいなポーズをとってたら止められてしまった。















何はともあれスナックお登勢に下りてきた万事屋たち。





「‥‥へぇ、異世界からねぇ」
「はい。‥って!驚かないんですか?」





異世界から来たなんて言ったら絶対信じて貰えないだろうって腹くくってたけど、案外すんなり受け入れてもらって、内心嬉しい。





「そりゃここはかぶき町だ。犬や虎が二足歩行で歩いたりこの国の政治まで天人がしてるし、船は空を飛んでる。それにだてに歳くっちゃいないよ。ちょっとやそっとのことじゃ、あたしゃ驚かないよ」



「は、はい!ありがとうございます!!」




お登勢さんの思いがけない温かい言葉にちょっと涙が出そうになったのはみんなには秘密だ。





「フンッ、ジャアサッソクワタシノタバコカッテキナ!!」



「自分で買ってこいヨ!なまえが可愛いからって八つ当たりアルカ〜?醜いアルネ〜プププっ」



「ウルサイ!オマエダッテオオグイのクセニヒロインキドリヤガッテ!ヒロインハコノアタシダヨ!!」





ぎゃあぎゃあと神楽ちゃんとキャサリンが喧嘩をおっぱじめだした
間近で見ると本当に壮絶な喧嘩だって思ってしまう



その中で、お登勢さんが口を開く





「そういやあんた。その格好で生活して行くのかい?」



「あ‥」




そういえば私の服装は学校帰りだから制服のまま。
確かにこの街では必ず目立つ。
何が起こっているか理解するのにいっぱいいっぱいで服装のことなんかこれっぽっちも考えてなかった。





「‥とりあえず、着物買ってきます。」



「買いに行くのにもその服しかないんだろ?‥ちょっと待ってな、」





そう言ってお登勢さんは店の奥の方に入って行ってしまった。



―――――



しばらくしてお登勢さんが風呂敷に包んだ何かを持って、帰ってきた。





「それ何だよ、ババァ」



「あたしが昔若い頃に着てた着物だよ。ちょうどなまえくらいの歳かね‥。サイズもたぶん良いくらいだよ。」





はい、

と私にその着物を渡してくれた。





「私が着てたそんな着物しかないけど、買い物行くくらい大丈夫だろ。」





お、お登勢さん‥‥



お登勢さんの言葉で胸が温かくなる。




「あ、ありがとうございます!!この着物、大切にします!」





お登勢さんがしわを寄せて微笑んだ。





「良かったな、なまえ」



「うん!じゃあ、さっそくこれから着てみます!」



「なまえ、着付けしてあげるから奥に来な。」



「はいっ、お願いします!!」





私はお登勢さんたち女組に着物を着させて貰った。





薄紅がかった生地に黄色や金色で模様が散りばめられている着物
帯は茶色生地で金色で模様が入っている





「よく似合ってるじゃないか。私の若い頃を思い出すねぇ。」



「何言ってるアルカ!なまえの方が何万倍も似合ってるアルヨ!」



「ありがとう!お登勢さん、本当にありがとうございます!」



「どうってことないよ。銀時、ちゃんと新しい着物なまえに買ってやりなよ。」



「えぇ!?そんな、私自分で買いますよ!」



「んな事言うなよなまえ〜。銀さんだってお前に着物くらい買ってやれるぜ?‥まぁ、今度買いに行こうな。」





いつもと同じように言っているんだろうけど、心なしか顔が赤く見える銀ちゃん。


照れながら言ってくれてる銀ちゃんにキュンとなる胸。





「あ、ありがとう‥っ!!」



「おう、じゃあさっそく明日にでも買いに行こうぜ。」



「うんっ!」





そうしたら銀ちゃんが私の耳元で今にも消えそうな声で言う





「――――――――――。」





ぼんっ



とたんに顔と耳に熱が集中する。





「なまえどうしたアルカ〜?顔が真っ赤ヨ!」



「なまえさん?‥‥まさか、銀さん何か変なこと言ったんですか?」



「言ってませ〜ん。銀さんそんなこと言ってないよな、なまえ?」



「う、‥うん。」




ニヤケた顔で私に振ってくる銀ちゃん。

それに自然な素振りで返事をしようとした私。













(「着物すっげぇ似合ってたぜ。銀さん危うく惚れちまいそうだった。」)





未だ火照る私の顔。










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