俺って一途



「ねぇ、いい加減にしてくれない?いつまで付きまとうんですか!」



今日の名無しはずいぶんと機嫌が悪いみたいだ。
いつも以上に眉間に皺をよせて、殺気をバンバン飛ばしてくる。



「別に付きまとってるわけじゃないよ?それに期限は一年って言っただろ?」




俺がそういうと、より一層眉間の皺が深くなった気がした。
いや、気のせいじゃなかった。




「ぶっ殺す。」




その瞬間、俺のからだは宙を舞っていた。なんとなく、顎のあたりがジンジンするから
きっとアッパーされたんだと思う。



って冷静に考えてる場合じゃない。




「珍しいね、君から仕掛けてくるなんて。」



「うるさいなぁ。こちとらイライラしてんのよ!ストレス発散だよ!」



そういって空中でもう一発パンチを浴びせようとしてくるから、俺はすかさずそれを避ける。




「なんでイライラしてるの?」



名無しから繰り出される連続攻撃をよけながら、そう問いかけると急に動きが止まった。




「バイト先の店長が.....





すげームカつくから!!!!!!!」




それ八つ当たりだろ、明らかに。
でも今の名無しにそんな突っ込み入れる勇気が俺にはわかなかった。


それほどまでにすごい剣幕で怒っている。




「じゃぁさーもうバイトなんてやめて、俺のお嫁さんになっちゃえば?そうすれば働かずにゆったり暮らせる
よ?まぁ俺海賊だけど。」




「...................もうそれでもいいかもしれない.....って、あんた海賊なの?!」




「そうだよ、言ってなかったけ。宇宙海賊春雨の第七師団の団長なんだけど。」




そういった瞬間、名無しの表情が少し緩んだ気がした。



「そ、そう。海賊..ね。海賊、うん。」





「もしかして、海賊とかそういうの好きだったりする?」



俺がそう聞くと急に名無しは急に焦り出す。
ホントわかりやすくて可愛い。




「まぁそういうことだからさ、俺は欲しいものは力づくで奪うよ?それでもどうしても手に入らなかったら、
他の誰かのモノになる前に....」






俺が殺してあげるよ。





「だから、俺から離れる時は命がないって思っててね。」





(嫌いでもいい、傍にいて。)





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