こりゃ大変だ!
「本日より、ミルフィオーレファミリーに所属することになりました、名無しです。」
しろくろモノクローム1
私は名無し。今日からミルフィオーレファミリーに入った。
元々はただの殺し屋だったけど、ミルフィオーレが新しい人材を探していると聞いたので、ちょっと手紙を送ってみたらなぜか採用されていた。
私も、とりあえず履歴書などは同封したが、まさか面接なしで所属許可が下りるとは....
正直驚いた。
しかし、これより勝る驚きが本部へ挨拶に行ったときに訪れたのであった。
【とりあえず本部に挨拶に来るように】
という通告を受け、名無しは普段着ている戦闘用の服を身につけミルフィオーレファミリー本部へ向かった。
中に入ると受付があって、ボスに会いたいというとすぐに通してくれた。
そして、案内役の人にボスのいる部屋まで案内された。
名無しは、扉の前に立ちゴクリと唾を飲む。
「(きっと、二つのファミリーをまとめるような人だし、ヤバイ怖いんだろうな....ハゲかな?それともマッチョ?!)」
と色々な思考を巡らせつつ、名無しは扉を二回ほど叩いた。
すると、中からすぐに「どうぞ」という声が聞こえた。
中からした声は大分若い声だったが、名無しは
ドア越し+ちょっとした緊張
でそれを気に留めることはなかった。
「失礼します。」
部屋に入り軽く会釈をする。
そして顔をあげると、窓際に白髪の男が一人立ちながら窓の外を見ていた。無論、男の顔は見えない。
名無しはあの真っ白な髪の毛から....
「(んっ?!予想外だぞ!ハゲでもマッチョでもない....仙人タイプだったか........)」
なんて考えていたのだが
「とりあえず、自己紹介してもらえる?」
全くの見当違いであった。
「若っ!!若すぎでしょ!いや、待て....それともなにか特殊な方法で見た目の若さだけを保ち、実年齢102歳とか?!仙人パワー全開だなオイ!」
「君、なに暴走してるの。落ち着いて、落ち着いて。」
思わずパニックに陥った名無しは男にそういわれ、やっと混乱状態から解放された。
「すみません。たとえ白髪なのに若いなんていう矛盾だらけの容姿でもボスに向かってこんな発言!!」
「もしかしてケンカ売ってる?というか、君のその白髪=年寄りっていう認識どうにかした方がいいよ。」
とりあえず、このままいくと話がどうでもいい方向にいきそうなので.......
「はじめまして、えっと今日からミルフィオーレファミリーに所属することになりました名無しです。」
ペコリと頭を下げ、二秒ほど間隔をおいて頭を上げた。
すると、もう目の前にボスの姿は無くソファで優雅に?マシュマロを食べていた。
「あっ、僕白蘭ね。それで、君はどこの部隊の所属なの?制服も着てないみたいだけど...」
顔だけをこちらに向け、笑う白蘭。口にはマシュマロが運ばれている。
「まだ決まっていません。なにも言われずここに来るように言われたので...」
名無しは配属される部隊はおろか、このファミリーのボスの名前さえ知らなかった(オイ)
「へーじゃぁ今決めてあげるよ。」
そういって、白蘭は机の上にあった紙に手を伸ばした。
良く見ると、どうやらそれは名無しの送った履歴書のようだ。
白蘭はそれにざっと目を通す。
「君、まだ十八なの?若いねー。」
「いや、アンタだけには言われたくないから。あっ、すみません。アンタじゃなくて貴方です。」
「変な子。よし、決めた!君は第0部隊に配属ね。といっても今隊員は名無しチャン一人だから部隊としては機能しないけどね。だからまぁ、僕の世話役ってことで。」
一気に言われたのでイマイチ話がつかめなかったが簡単にいえば「ただのボスの世話係」ということなんだろう....マフィアに入ったのは人の世話をするためじゃないのだが....
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