「へぇ、そうなんだ。でも確かにホワイトスペルって感じじゃないよね。」



「ですよね。普通に入るならブラックスペルが良かったんですけどね!」


わざと最後の方を大きく言って白蘭を軽く睨む。


その視線に白蘭もたじたじだ。



それからも正一と名無しの会話は続き、なんだか白蘭が一人除け者にされているみたいだった。



それが面白くないのか、否か。


白蘭の表情がどんどん曇っていく。



マシュマロを口に運びながら、段々と細く、鋭くなっていく紫色の瞳。



「アハハ、正ちゃん面白い!」



「名無しさんこそ!!どこでそんなこと覚えたんですか!」




盛り上がりまくる会話



そしてとうとう...




ガシャンッ




「さっきから、なに仲良くなってんの?」



白蘭がキレた。


ひっくり返ったマシュマロの器。殺気交じりの視線。



正直



怖い..


「あ、あの白蘭?どうしたの?」




引き攣った笑みを浮かべつつもなんとか白蘭に笑顔を向ける。人が怒ってる時は笑顔が大切..な気がする。




「さっきからなに?僕は無視して二人で仲良く。」



「あれ?な、なんだ!白蘭さん、仲間に入れて欲しかっただけなんですか?じゃぁ一緒に話しましょうよ!」



正一がなるべくこの場の雰囲気を和ませようと少しおちゃらけた風に話すが...



「なにいってんの正チャン。誰が一緒に話したいって言った?どうでもいいけど、名無しチャンは僕のだから。もうこれ以上仲良くしないでね。ほら、行くよ。」



白蘭は正一を睨みつつ席を立つと名無しの腕を引っ張った。



「ご、ごめんね正ちゃん。また!」



ズルズルと引きずられつつも名無しは小さく正一に手を振った。



正一は、呆れ顔でそれに答えた。


「白蘭、痛いよ。」



引かれる腕がとても痛い。強く握られているせいか否か。きっと両方だろう。



だが、白蘭は一向に引くこともやめなければ掴むうでを放そうともしない。



「白蘭!!」



名無しが少し強めにいうと白蘭はパッと手を離した。



掴まれていた腕をみると赤い痕になっていた。


白蘭は名無しの様子を無言で見ている。



「やっぱり怒ってるよね。」



名無しがチラリと白蘭を見る。やはり目は怒ったままだ。



「名無しチャン僕はね。なんだかんだ言って結構やきもち焼きなの。」


「なんだかんだじゃなくて、相当でしょ。てゆうか付き合ってないし。」



名無しがそういうと白蘭は「そうだけどね。」と少し目を伏せた。



そんな白蘭がなぜか可愛く見える。


自然とこぼれる笑み。




「まぁでも、あたしは白蘭の世話係だし。世話係っていうのは主人に尽くすもんだから、ある意味白蘭のものかもね。」



「名無しチャン....」



和やかな雰囲気が廊下全体に広がる。











「それじゃぁ身も心も僕のモノになってくれる?あ、まずは身からでいいよ!!心より先に。」



「順番逆だろうが!!!つか、お前の頭はそんなことばっかりか!!!」




やっぱりこうなるのでありました。




さて、



この二人が本当の恋に落ちる確率は?













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