こいつァ...!!!
「おはようございます。白蘭さま。もう朝ですよ。.....ってわざわざ丁寧な挨拶してやってんだから起きろコラ。」
しろくろモノクローム2
「ん...あーおはよ、名無しチャン。」
「おはようじゃねぇよ。何回起こしたと思ってんだよ。気が付けよ。」
どうも、こんにちは。私、つい先日からこのミルフィオーレファミリーに所属することになりました名無しと申します。
今わたしの目の前にいるファミリーのボス、白蘭の命により私はボスの世話係なんていうものになっているわけですが....
このボス、ホントに目覚めが悪いです。
もう何回目かな...恐らく5回目位でやっと白蘭は起きた。
起きたと言っても眼が開いてるだけで、ベッドから起き上がろうとはしない。
眠たそうな目でこちらをジッと見ている。
「ほら、起きて。シャワー浴びて着替えて。朝ごはんの時間に間に合わないよ。」
クローゼットから隊服を持ってきて近くの椅子に掛ける。そしてついでにタオルも一枚とって白蘭に差し出す。
白蘭は眠そうにしながらもタオルに手を伸ばした。否、タオルに手を伸ばしたと思っていた。
「えっ...」
グラリと揺れる視界。
そして次の瞬間には、白蘭のドアップが目の前にあった。
「なにしとんじゃワレ!さっさと離しなさい!」
グッと身体を押して、白蘭から離れようとするが.....
離れない。
予想以上に力が強い。
「あの、まじで離していただけないでしょうか...」
名無しがそういうと、白蘭はニッコリ笑った。
「かーわい、名無しチャン。顔真っ赤だよ?そういう可愛いことすると、襲うよ?」
顔は笑ってるけど.....
目が半分マジだ。
「あ、赤くないです!断じて赤くないです!ほら、良くみて!今顔色悪いでしょ?!」
アンタの発言で顔面蒼白だよ。
「名無しチャン面白いね。」
白蘭はそういうと手の力を緩めてベットからゆっくりと起き上がった。
名無しはひとまず安心したのか、安堵の息をもらす。
しかし...
「名無しチャン。お風呂一緒に入ろ?」
腰に回される手。耳元で聞こえる白蘭の声。首筋には白蘭の息が掛かる。
「ふざけてないでさっさと風呂に行けっ!!!」
あまりに物凄い勢いで名無しが怒ったからか、白蘭は渋々腰から手を放し浴室へ向かった。
名無しは「ったく」と少しばかり怒りを残しつつも、白蘭が風呂場へ入ったのを見計らって脱衣所へ。そして、たった今まで白蘭が着ていた服やらなんやらを抱えてメイドを呼んだ。
そして洗濯物としてそれを預ける。
明日までに洗って持ってくるように言うとメイドは軽く返事をして頭を下げた。
名無しは再び部屋へ戻ると、新しい下着やなんやらを用意し、バスローブを持って脱衣所へ。
さっさとこれらを置いていってしまおうと思い、勢いよくカーテンを開けると...
「あれ、名無しチャンなにやってんの?覗き?」
真っ裸で髪の毛を拭いている白蘭がいた。
「ちょっ、覗きの訳ないでしょ!これ着替えです!!」
なんだかまずいものを見てしまった気がする....名無しはさっさと着替えを近くの台へ置くとなるべく白蘭を見ないように脱衣所から出た。
「なんでこんなに出んの早いんだよ!!!」
部屋に名無しの叫びが響き渡った。
それを聞いていた、たまたま部屋の前を通りかかったメイドたちは怪訝そうに白蘭の部屋を見つめていたとかいないとか。
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