「さっさと帰りなお譲ちゃん。でないとどうなっても知らないぜー!」



「おっ、ヤるか?」



「やめとけよーホワイトスペルの女なんて抱いても価値ねェよ。」



ギャハハハハ



気がつくどころかさらに下品な話題でヒートアップした第三部隊は酒を飲みながら大きな声で笑っていた。



「......うるせぇよ。」




「は?」



ぼそりと呟かれる言葉、男たちはその言葉に反応してピタリと笑うのをやめる。




「うるせぇって言ってんだよ!せっかくこっちが友好的に話しかけてやってんのに調子こきやがって...



ホワイトスペルがなんだコラァ!あたしだってなぁ好きでホワイトスペルに入ったんじゃねーんだよ!」



シーンと静まり返る室内。酒を飲んで笑っていた男たちは名無しのあまりのすごみ方に一歩身を引く。



太猿「お前...ちょっと落ち着け...!」


なんとかキレた名無しをなだめようとする太猿。しかし次の瞬間一人の空気の読めないアホのせいでその太猿の努力は無となった。



「ちっ、逆ギレかよ。」



そういったのはチビ、もとい野猿だった。




「.......いい度胸だ、表出ろ。今すぐゴミくずにしてやるよ。」



野「はっ、お前なんかにオイラが負けるかよ!」



二人の雰囲気はまさに一触即発。いつ暴動が起こってもおかしくない状況だった。




太「野猿やめろ。いくらただの喧嘩でもホワイトスペルとやりあったらなに言われるかわかんねぇぞ。」



太猿が立ち上がって野猿を止めにかかる。野猿は気に食わなそうな顔をしながらもしぶしぶ「分かった」と名無しに背を向けた。





太猿「悪かった、今回は引いてくれ。」



そう素直に謝る太猿。そんな太猿にニコリとほほ笑む名無し。

名無しの笑顔を見て太猿は少し安心したのか「本当に悪かったな。」と名無しの肩にふれた。



刹那




「なっ!!」



太猿の巨体が宙を舞った。





ドガーンッガラガラガラ




そしてそのまま太猿はビリヤード台の方へ飛び落下。



ものすごい音をたててビリヤード台は真っ二つに割れた。



野「た、太猿アニキ!!」


慌てて太猿に近寄る野猿。他の男たちも唖然としながらその様子を見ていた。



「アホがっ。」



キャーキャーと叫ぶ女の声と呆然と立ち尽くす男たちの姿を背に名無しは部屋を後にした。




「全く、気分悪いわ。さて、次は....」




あんなことがあったのに全く懲りていない名無し。次はどこの部隊に行こうかと思考をめぐらす。



そういえば、正ちゃんが生理的に無理みたいな人がいるって言ってたな...



「危ないから近寄っちゃダメだって正ちゃん言ってたけど...ま、行ってみよ。」



第八部隊 グリチネ隊 到着




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