「ヒビキ君、それ何?」



ヒビキの部屋のベッドで寝転がりながら
ヒビキが手に持っている瓶のなかの黄金色の粘り気のある液体を指差す。


「あまいみつ、だって。コウキが送ってくれた」


ほら、とラベルをこちらに向けられたのでみるとみたことのないポケモン?のイラストと可愛い文体で“あまいみつ”と書かれている。蜂の巣の穴みっつに顔があり、羽が生えているイラストから察するに蜜蜂とかだろうか。
つまり瓶の中身はハチミツか。



ちなみにコウキというのはシンオウにいる友人らしい。ヒビキ君どこにでも行くんだなぁ。流石ジョウトとカントーを制覇しただけの実力はある。



「へぇ。おいしそう」


「欲しいの?」


率直な感想を述べるとヒビキ君はニヤリと意地悪く笑う。外面はいいくせに私に対する態度はいつも上からだ。歳は変わらないのに。



「別に欲しいとは…」


「いいよ?ナマエになら食べさせてあげる」


含みを孕んだ笑顔に逃げ出そうとしたがヒビキのバンギラスに捕まった。バンギラスあんた悪役が似合うわね…なんて見上げていると瓶のフタが開けられる音がした。

ふわり、とあまい匂いがしてそちらを見るとヒビキ君はその瓶の中に遠慮なく2本の指を突っ込んだ。


なにしてるの、と聞いたらヤバいような気がしてバンギラスに助けを乞うが申し訳なさそうに目を逸らされた。よくしつけられているなぁ、なんて。



「ほらナマエ、口開けなよ」


「えっ?んぐっ!」



ヒビキ君に視線を戻すと同時にマヌケに開かれた口にさっき瓶に突っ込んでいた指を突っ込まれた。

「欲しかったんでしょ?存分に味わいなよ」




2本の指を口の中で動かされ、あまい匂いが鼻につく。


「ほら、舌つかって」


空いてる手で後頭部を掴まれる。抵抗したらたぶん後で大変な目に遭うから大人しくヒビキの指についたあまいみつを舐めとる。うっわ今自分なにしてんのエロい



「はは、ナマエ顔真っ赤」


そう言ってようやく指を抜いてくれたかと思えば口の端に垂れている液体を舌で拭われる。



「ちょっ、」



羞恥を隠すように右手で口を覆い、遠慮なく口内を荒らされ乱れた息を整えているとバンギラスがモンスターボールは戻された。





「まさかこれで終わりだなんて思ってないよね?」






今日一番の笑顔を向けられてこれから自分の身におこる出来事を想像して身震いした。























(おいしかった?)
(それどころじゃなかったわよ…)(コレポケモン用なんだよね)
(は!?そんなものをあんなことに使うなんて…)
(コウキにすすめられたんだよ)
(コウキ君…)



───────




初ヒビキ君でやらかした。

ついでにコウキもやらかした。