サブマスでバレンタイン



休憩室でのんびりあくびしてたら急に目の前に人が現れた



「チョコ、頂戴?」


両手を差し出してにっこり笑うのはクダリさんだ


「チョコ…ですか?」

「うん!今日バレンタイン!」


相変わらずニコニコしたままうれしそうに語る

あーバレンタインね。うん、バレンタイン…


「すっかり忘れてました…」


「えっ…ウソ…」

そう告げるとクダリさんは膝を地面につけて大げさに落ち込む様子を見せる


「すいません、後でなんか埋め合わせしますんで」


肩に手を置いて謝るがクダリさんが納得する様子は無い。
しかも、


「今日チョコくれなきゃヤダ。」

いじけやがった!
いい歳こいた大人がなに言ってんだ




「でももう午後8時を過ぎてるんですが…」

「ずっとくれるの待ってたのにこないんだもん」


そう言ってそっぽを向く


なんかめんどくさくなってきたぞ?


「何をしてらっしゃるのですか?」


休憩室のドアを開けてやってきたのは黒いボス、ノボリさん


いいところにきてくれた!白ボスを回収してください


「クダリさんがチョコくれなきゃヤダって駄々こねるんですよ」

私用意して無いのに、と付け足すとノボリが目を丸くしてこちらを凝視してきた


「な、なんですかノボリさん」


「無いのですか…?」


「は?」


「ワタクシ達へのバレンタインのチョコレートは無いのですか…!?」


え、そんな重大なこと?まさかノボリさんまでそんなこと言うとは思わなかったよ


「すいません、忘れてました」



そう告げるとノボリさんは膝を地面につけて大げさに落ち込む様子を見せる


アレ なにこれ デジャヴ?


目の前で大の大人が2人もなにをしてるんだ


「そんな…バレンタインだというのに…」

「ボクらとっても楽しみにしてたのに…」


いよいよめんどくさいな


「サブウェイマスターなんだからチョコなんて沢山もらったでしょうに」


私はずっと事務をしてたから外の様子なんて知らないけど


「そんなのモテない男が母親のチョコをカウントするのと一緒だよ!」

「いやレベルが違いすぎるわ」


「ワイロとみなされては困りますので受け取ることも致しませんし」

「そうなんですか」


意外とマジメなんだなぁ




それはわかったけどこの状況を打開する術が思い浮かばない




時間も時間だしなぁ…


「せめて材料があれば…」


ボソッと呟くと2人が目を輝かせて立ち上がる
驚異のシンクロ率


「ウチにくれば材料ある!」

「チョコフォンデュなど如何でしょう!」


右手をクダリさんに、
左手をノボリさんにつかまれて逃げられない


「そうと決まればこうしちゃいられない!」

「ええ、早速参りましょう!」


決定事項なの?とツッコんでも
こちらの意見など聞く気がないらしい



「自宅をめざして、」



「「出発進行!!」」



来年はきちんと用意しよう。そう心に決めた









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