4月22日 晴天


今日は放課後に執行部の活動があるらしい。


よし、どうやって遊ぼうかな。





今日も今日とて制服に身を包み、買い溜めしておいたチロルチョコを一掴みポケットに、もう一掴みをカバンに
ついでにあるものを詰め込んでヌオーと一緒に家をでた。

















「おっはよークダリ!」


「おはようミハル。今日は登校時間守ったんだね」


「偉いっしょ」


「うん。偉い偉い」


うん、やっぱりイケメンだなぁ。

「わーい。はい、今日はチロルチョコ!」


「ボクきなこ味好きなんだ!ありがとう!」



にっこりと笑うクダリまじ天使。いそいそと包みを剥がして口に放る。おいしいっ!と笑顔でこちらを向くクダリ。
この子の笑顔は癒されるなぁ。



「ノボリも笑えばいいのにねぇ」

「あ、そういえばミハルも執行部入ったんだっけ」


「うん。ヌオーと一緒にいられるからね」


そう言って足元でぼーっとしてたヌオーの頭をなでると嬉しそうに鳴いた。かーわいい。



「ヌオーが手持ちなんだね」


「クダリは?」


「ボクはバチュル!すっごいかわいい!」


「へーいいね。今度みせて」


「うん!」



クダリと仲良くお話してたらチャイムがなって担任がやってきた。ちっ。もうショートか。



「おいミハル!ヌオーとじゃれてないで話を聞け!」


「うるせえですセンセー。顔面にどろばくだん喰らわせますよ」


「教師になんたる言い様!」


「で、なんです?」



「今日の7時間目は各部活、委員会ごとの集会になるから自分の割り当てられた教室を確認しておくこと」


呆れたようにそう口にする担任。なんだそんなことか。どうせ生徒会室だろ。
ん?今日放課後あるって聞いてたんだけどな。まさかぶっ通し?



「じゃ、今日も授業がんばれよー」

担任の合図で日直がきりーつ、れーいと挨拶をして朝のショートは終了した。









テキトーに授業を受けてたら新任の教師に怒られた。
金髪でたれ目のイケメン。隣にはゲンガーの姿。


「ミハル…だっけ?どうして教科書もなにも出してないの?」


「センセー自身が人生の教科書じゃないですか」


「何を言ってるんだい?」


ゲンガー、シャドーボール。と当然のように命令を下す教師。なんだと!?



「ちょ、本気ー?」


「冗談だよ」


「おおう、なかなかやるな。センセーの名前なんでしたっけ?」


「真面目に授業を受けない生徒に名乗る気にはなれないな」


「じゃあセンセーの名前知ることはできそうにないっすね。おやすみなさい」




なかなか面白いセンセーだが真面目に授業を受ける気なんてない。
キリッと真面目な顔をして言ってみた。


「そうかい。残念だ。おやすみ」

あっさりと居眠り公認された。ちょっと拍子抜けだが好都合。
再開された授業を子守歌にまぶたを下ろした。




のが間違いだった。少し考えればわかっただろうに。


「うう、身体が重い…」

「大丈夫?ミハルすごいうなされてた」


クダリが心配そうに見つめてきた。冗談抜きの天使じゃないか。





「くっそ。あの新任教師…」





授業終了のチャイムで目が覚めたかと思うとソバにへにゃりと笑う教師の姿があって。


「君のことは他の先生方から聞いていたからね。これからは寝ないように」


そう言って元気に飛び跳ねるゲンガーと一緒に教室を出て行った




「“あくむ”と“ゆめくい”とは卑怯なり…」



おかげでベトベターの群れでハグされまくる夢見たわ。




結局その後は疲れた身体を休ませるために寝続けた。ささやかな反抗だ。







「ミハル、ミハル起きて!移動でしょ?」

クダリに体を揺すぶられて起きた。

「え。もう7時間目?」


あくむとゆめくいのダメージが結構でかかったらしい。昼休みもぶっ通しで机に突っ伏していたらしい。


「こうしちゃいられない!クダリ!起こしてくれてありがとう!」

カバンを持ってヌオーの手をひいて教室を飛び出した。




私には今日やるべきことがあるんだ!!


















「ミハルでございま〜す!」


生徒会室のドアを開けて勢い良く挨拶した。


あまりの勢いに中にいた3人は驚いて固まった。

狙い通り。にやっ

某死のノートの主人公ばりの悪役面をかましてやった。



「ミハル様、なんですかそのテンションは…」


最初に口を開いたのは案の定ノボリ。

「今日はサ○゛エさんの連載が始まった日なんですよ〜」


ケタケタ笑いながらそう言うと
はぁ、そうですか。と興味なさそうに返された。なんだよ聞いといて。

トウヤ君トウコちゃんはそうなんですかーと言って納得してくれた。かわいい後輩にはチロルチョコをプレゼント。



「それでは議会を始めましょうか。ミハル様もこちらにお座り下さい」


ノボリの隣(斜め?)に座る。向かいの席は空いている。



「今日の議題は制服についてです。最近女子のスカートが短すぎるのではないか、という声が多く聞かれております。また、極端に着崩したり校則違反であるカラーのものを身につけている生徒が増えているようです。これについて意見はございませんか」




長い。3行でまとめろ。


「ミニスカートと派手な服装が問題になっているんですね」


トウヤ君ナイス。把握した。


「そんなことより今日って語呂合わせで良い夫婦の日なんですよ。ノボリさん私と結婚しません?」


「ずいぶん強引に話の腰をおりましたね。日付シリーズですか。そんなことより議題について真面目に考えて下さいまし。指輪もいりません!」


朝カバンに入れた指輪(おもちゃみたいな安物)を差し出したが一蹴された。
でも何気にツッコミしっかりしてんね。うれしいよ。
日付シリーズいいな。続けようか。

つか意見もなにも


「もう私服で良くね?」



「いいですねソレ!」


トウコちゃんも手を合わせて賛同してくれた。

トウヤ君は毎日服選ぶの大変だろうなーとぼやいてるが。


「それは…。簡単にはいきませんよ」

ノボリは渋い顔だ。




「まぁひとつの案として受け止めておきましょう」


「意見言ったので指輪、受け取って下さい」

「no、thank youでございます」


「ワァとってもキレイな発音ですねー」











こちらのテンションに馴染むにはまだかかりそうかな。



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