メイキング
・用意するもの
画材、時間、根気
素敵な音楽なんかがあればなおいいんじゃないかと思います。
使用したのはPictBearというフリーソフトですが完全に使いこなせているわけではないので、ほぼ基本ツールだけで描いていきます。そのため有料ソフトなどに比べて、恐らく効率も要領も悪いです。凝ったことや難しいことはできません。
もしかするとどこかで見たことあるなって描き方が出てくるかもわかりませんが、その時はそっと心にしまっておいてください。それではジャストキッド共々よろしくお願いします。
1.ラフ
そのまんまです。私のラフは酷いと巷で評判なんですが、これを元に描いていきます。アナログの場合はまずここをしっかり描き込まないと後で泣きます。
2.線画
このまま描き進めていくには少し太いかな〜〜というくらいの太さでラフの線をなぞっていきます。大体でいいです。私はフリーハンドが苦手なので曲線ツールを使います。
アナログの場合は、逆に少し細いかな〜〜というくらいの線でペン入れしていくといいと思います。私はuniの0.28を使っています。
3.線画を詰めていく
骨格や細部を調整しつつ、2の線を細く削っていくような形で整えていきます。ここで私はレイヤーが爆発的に増えます。右手だけのレイヤーとか右目だけ左目だけのレイヤーとか。正直煩わしいんですが後でいろいろ微調整するのに便利です。
CLIP STUDIOには抜け感を出すツールなどがあるそうですが、残念ながらベアにはないのでこちらも自力で作っていきます。線を削るのも抜け感を作るのもめちゃくちゃ面倒なんですが、有識者様曰く、線に空間を持たせると完成度や出来ばえが大きく変わってくるそうなので、大変ですが恐らくやって損はないんじゃないでしょうか。私はこの作業だけで最大20時間くらい掛かったりしています。
アナログの場合はここで消しゴムをかけますが恐らく線が薄くなっているかと思うので、線を補強しつつ歪みやがたつきを修正するような感覚で描いていきます。私は0.28と0.38を併用しています。
4.色を塗る
ベタ塗りで構いませんが、できるだけ細かくレイヤーを分けておくことをおすすめします。
5.グラデーションをかける
透明部分を保護して、髪も肌も服もほぼすべてのパーツにグラデーションをかけていきます。レイヤーを分けるのはそのためです。「透明部分の保護」という機能がお手持ちのソフトに実装されているかどうかはわかりませんが、フリーソフトについてるんだから大概のソフトにはあるだろうと思います。細かい部分はエアブラシで地道にグラデーションを作っていきます。
服や靴、特に柄物なんかは色が多すぎたりして正直面倒なので、レイヤーを複製→透明部分の保護→乗算で白と暗色のグラデを重ねています。
6.角を埋める
細かいはみ出しや歪みを直しながら、角という角を線画と同じ色で塗り潰していきます。イメージはオールマイト(マッスル)やアメコミの画風です。左と右を見比べると、右のキッドは皺や線が交差した部分が丸く塗り潰れているのがおわかり頂けるかと思います。影になるところは思いきって大きく塗るのもありです。ただ場所によっては絶対ない方がいい場合もありますので、臨機応変に塗っていってください。アナログの場合は先に鉛筆やシャーペンで塗っておくと泣かずに済みます。
元々アナログではみ出しや歪みをごまかす手段としてやっていた荒業なので、お気に召さなければやらなくてもいいかと思います。アナログ描きさんは線が歪んだ時なんかの最終手段として是非。
7.血色を入れる
乗算レイヤーで皮膚の色と血色の境目をぼかしながら入れていきます。私は頬の他に指先や手首の骨の出っぱった部分(茎状突起というそうです)、肘、膝、肩などの関節部分によく入れます。描くキャラによっては不要かもしれません。
8.影を入れる
こちらも乗算で入れます。陰影のノウハウはまったくわからないので、上手な絵師様のメイキングをご覧になってください。入れた後に透明部分を保護して、でかいエアブラシで濃淡をつけると何かそれっぽくなるような気がします。レイヤーをもうひとつ作って何枚も影を重ねていく〜〜というのもやっていたんですが、しんどいのでいつからかやらなくなりました。
9.ハイライト
あちこちに加算やソフトライトでハイライトを入れていきます。ここでは煙草の火と顔の艶、目のハイライトに加算、髪の毛と帽子にソフトライトをかけています。左のキッドにはピンクのスクリーンがかかっています。
10.できあがり
細かい部分を修正しつつ、お好きな背景などを描いてできあがり。
メイキングは以上になります。画質が悪くて見にくいわという方は、ポイピクの方にビッグサイズで比較的高画質の完成形を上げているのでそちらをご覧ください。進捗のやつも上げていますがサイズは変わっていません。
さしたる技術も手技も持ち合わせていませんが、みなさまの創作の一助になれたら幸いです。最後までご覧くださりありがとうございました。